第26回京都賞授賞式など【画像追加】【北澤先生のツイートまとめ追加】
2010年 11月 10日
2008年の第24回のときは、生命科学分野の専門委員として選考に携わったので、その前の年と合わせて3回目の参加。
毎年、紅葉の時期に宝ヶ池の国際会議場とグランドプリンスホテル京都で開催。
今年は先端技術部門がバイオテクノロジー領域が対象となり、iPS細胞の山中伸也さんが受賞された他、基礎科学部門は数学領域でラスロー・ロヴァース博士、思想・芸術部門が美術(絵画、彫刻、工芸、建築、デザイン)でウィリアム・ケントリッジ氏。
早くも授賞式の動画が配信されている→こちら
スティールはこちら
公式発表はこちら
【追記】
JST理事長の北澤先生(@koichikitazawa)が山中さんの受賞講演等についてツイートを連投されましたので、togetterでまとめました→こちら

山中さんの受賞の挨拶をiPhoneのEvernoteにメモったものをもとに。
科学における真理の探究は、いわばベールを一枚一枚はいでいくようなもの。
中には自分のように、その1枚のベールによって幸運にも賞をもらう人がいるが、一枚一枚は等しく重要だ。
その研究を支えてくれた家族や、一緒に苦労した研究室のメンバーに心から感謝する。
亡くなった父は自分が医者になることを望んでいた。
現在行っている基礎研究が本当の応用研究に繋がれば、父も喜んでくれるだろう。
数学のロヴァース博士は、ハンガリーの出身で、高校のときには数学特別学校に進学し、数学オリンピックで3年連続金賞を受賞したという経歴。
異分野を融合し、実際に「使える数学」としてのアルゴリズムの開発などを行っているが、数学を学ぶ若い方へのメッセージとして「数学だけでなく周辺科学も学ぶこと」と言っておられた。
また、「数学は美しさを求めており、その意味でアートに近い」とも。
(これ、数学者だったら、かなりの方がそう言う気がするけど……)
ちなみに、友人の数学科K先生は今回の審査員の一人だった。
ケントリッジ氏は南アフリカの出身で、ドローイングを1枚1枚撮影して繋げたアニメーションで有名な方。
例えば、こんな感じになる。
小さいときから絵を描くことが好きで得意で、ともに弁護士だった両親からは他の職業を勧められたのだが、やはりアーティストを選んだ。
自分が好きで得意なことを続けることが大事というメッセージを残された。
こちらの受賞時の動画on YouTubeもご覧あれ。
山中さん
ロヴァース博士
ケントリッジ氏
科学や技術だけでなく、芸術も人類の幸福にとって大事であるという稲森会長のフィロソフィーは本当に素晴らしいと思う。
科学、技術、芸術、みんな含めて「文化」と捉えるべきなんじゃないかな。
あと、京都賞授賞式には稲盛財団名誉総裁の高円宮憲仁親王妃久子(のりひとしんのうひ ひさこ)殿下がご臨席するのだけど、いろいろなスピーチや京都市交響楽団の演奏などを、ちゃんとそちらを向いて耳を傾けられているお姿がとっても素敵だった。
見られることに馴れてらっしゃるだけでなく、真摯なお気持ちが体現されているという意味で。
唯一、残念だなぁと毎回思うのは、ご招待されている3つの分野の関係者が、それぞれで閉じて会話をしがちなこと。
京都の経済界関係の方々や政治家などの場合も同様。
せっかくアフターディナーの席が設けられているのだけどね……。
ともあれ、山中さん、ロヴァース先生、ケントリッジさん、おめでとうございました!
関連行事は、明日の受賞講演、明後日のワークショップと続きますが、こちらは仙台に戻ります。
【追記】
授賞式と晩餐会には高円宮妃久子様ご臨席で、各界の方々がご招待される。
こちらはバレエの森下洋子&清水哲太郎ご夫妻。
安藤忠雄さん、千住博氏などのお顔もあった。
稲森会長は民主党と懇意なので、鳩山元首相ご夫妻、小沢氏、前原大臣なども。
