スタンフォード大学でセミナー2つ
2010年 11月 19日
一つは研究者向けに神経発生関係の話題で、もう一つはJBCおよびLSJというボランティアな日本人コミュニティー(後述)の方々向けに神経新生の話。
それらの間にスタンフォード大学の方との面談を2つ組んで頂いた。
スケジュールのアレンジ、空港のお迎えからセミナーのセッティング等、赤間さん、加藤さんをはじめとする関係者の方々にはとてもお世話になりました。
有難うございました。
スタンフォード大学に来るのは3回目くらいだと思うが、いつ来ても美しいキャンパスに心が和む。
今回はちょうど紅葉の美しい季節。
こちらの画像は、久しぶりに会った元東北大学サイエンス・エンジェルさんでスタンフォードに留学中の方が、天気の悪かったセミナーの日の前日に、わざわざ撮影して送って下さったものです。
フェン・ギョクさん、ありがとう!
幹細胞研究所等を含め新しい建物がさらに建っている。
こちらは夕方の方のセミナーを行った産学・学際連携の建物。
ガラスを多用しているのは流行でもあるけど、コンセプトとしてはコミュニケーションを良くする、ということを目指しているらしい。
セミナールームに入っていくのに、Peet's Coffee & Teaという北カリフォルニア中心のチェーンのカフェを通っていかなければならない、という動線も面白い。
この建物だけではないが、あちこちにテーブルと椅子やソファが置いてあり、wireless internetへの接続も容易。
(今回はゲスト登録の申請はしなかったので、どのくらいのスピードのものかは不明)
デスクに縛り付けられない方が、どこでもオフィス兼いろいろな人とコミュニケートしやすくなるのだろう。
子ども向けの科学イベントのときに描かれたらしい絵が廊下に飾られているのが微笑ましい。
今回お世話になったJBC(Japan Bio Community)は「米国シリコンバレーでバイオベンチャーに携わる仲間が世界に向けて、ボーダーレスコミュニティを目指し、Japan Bio Community創生。バイオサイエンス、バイオビジネス、ベンチャー就職情報、最近のトピックス等の情報をオンタイムで交換する場。(HPより)」
各種の座談会をベイエリアで開催していて、今回は記念すべき50回目とのこと。
LSJ(Lifescience in Japanese)の方はスタンフォード大学の生命科学系日本人のコミュニティー。
今回はこちらの60回目のセミナーを兼ねていた。
よって、スタンフォードの学生さんやポスドクさんだけでなく、ベイエリアで働いているITやらバイオヴェンチャーやらの企業の方も参加され、とてもヘテロな聴衆相手だったので、実はちょっとKeynoteの作りこみが難しかった。
その分、質疑応答で相手の方の質問に合わせた答えをするようにしたのだけど。
終了後に一部の方々とピザ屋さんで懇親会。
すっごく大きなピザがアメリカ的(笑)。
学生さんの方が言っていたことが印象的だった。
企業の面接に行くと、まず下の職位の方が一次面接をする。とんがった受け答えをして落とされるよりは、無難に答えた方が得だと皆が思っている。面接に関わる人は上司から〈なんでこんな人を推薦したの?〉と言われないために、どうしてもそういう人を二次面接、三次面接に上げていく傾向が生まれる。結果として、最終面接段階で〈なんでみんな、こんなに没個性なの?〉と上司は嘆く……。
つまり、今のシステムでは、一次面接をする人に目利きがどれだけいるかにもよるが(それを期待することが難しいのだが)、個性的な人間は生き残りにくい、という訳だ。
一斉に採用するシステムは、効率的かもしれないが、合理的ではない面がある。
一方で、企業の提携や共同プロジェクトの斡旋などのコンサルティングをされる会社を自分で興された女性の方が、日本の大学院等で講義をすると、いろいろな事例を話した後に〈じゃぁ、質問は?〉と訊いて、まったく手が挙がらないと嘆かれる。
これも日本の初等中等教育システムの問題が大きいし、その背景には「平等=出る杭を打つ」傾向になりがちな日本人のメンタリティーがあるだろう。
本当は「平等=機会を均等に与えて足を引っ張らない」ことだと思う。