動物施設オリエンテーションに参加した

動物施設オリエンテーションに参加した_d0028322_2140825.jpgハーバード大の学部生は目下、クリスマス前の定期試験期間。
その開始前に、伝統の行事としてPrimal Screamというものがあったらしい。
最低気温がマイナス10℃を越える世界での荒修行?は、仙台の「どんと祭」より厳しいかも。

さて、こちらで共同研究の実験を自分で実際に行うためには、種々の手続きが必要だ。
例えば、動物実験を行うにあたって講習会を受ける必要がある。
ちょうど昨日、その機会を得た。




日本と違って、人の出入りが春に集中する、といったことは無いので、留学やら共同研究やらで新たに動物を使う必要がある人間は、年間だらだらといおる訳で、したがって講習会も「原則週一」で開催されている。
昨日集まったのは、私以外はポスドクか学生(大学院生および学部のローテーション含む)が7名。
案内をしてくれたのは動物施設のJaime。
皆、動物を扱った経験はある人間だったので、すぐに実際の現場に行って、どのように着替えるか、ケージのラベルや「特別扱い」のラベル(授乳中、特別餌、特別給水などなど)についての説明を受けた。

通常のラベルには、例えばマウスの「系統」「雄雌」「出生日」等の他に、「動物実験承認番号」を付すことになっている。
新しい実験を始める際に、実験のやり方(プロトコール)を予め申請し、その承認を得たら、それに従って行う、という段取りになっている。
今回、私はラットを使った内田研のプトロコールに従い、ウイルス感染や手術は行わない。
実験室で行動解析をして、動物施設で昼夜逆転の明暗サイクルで維持管理してもらうので(つまり、ケージは出入りする)、他の受講者達の説明の後に、さらに別エリアに行った。
(そのため、再度、使い捨てのジャンプスーツ、帽子、マスク、手袋に着替えた)
このエリアは「ダーティー」という扱いなのだが、とはいえ、動物の匂いがほとんどしないくらいの環境。
現在うちの大学ではすべてがSPFという環境で維持されていて、研究室との間の出入りができないのは非常に不便なことを改めて感じた。
(基準というのは高い方に合わせないと意味が無くなるので)

ちなみに、この動物施設はHarvard Biology Research Infrastructureとして「2007 TurnKEY Awards for Facility of the Year」を受賞している。
確かに、施設の機能として優れているだけでなく、壁の色など、エリアごとに分かりやすく美しく塗られていたり、ラットやマウスの各種説明のパネルが貼られていたり、といったことまで含めての受賞なのだろう。
良い研究を行うには、人の感情に与えるところまで含めた良い環境が必要。
ちなみにちなみに、載せた画像はAndy McMahon研からの寄附のモザイクで作られたマウスのアート。

この日、ラットのトレーニング(私もトレーニングされている訳だが)の後、一緒に修行中のZachとともに、再度ラットの飼育施設にラットを戻しに行った。
都合3回目のジャンプスーツ、エトセトラ。
Zach曰く「これって、地球環境的にどうなんだろう……」
使い捨てのモノを多用する現在の科学実験の大きな問題点。
by osumi1128 | 2010-12-16 21:43 | 旅の思い出

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