宮島先生のツイートまとめ:美の基準線

宮島先生のツイートまとめ:美の基準線_d0028322_712239.jpg幸いなことに、本日は穏やかに晴れたボストン。
雪に陽射しが反射して眩しい。
クリスマスの休暇から戻って来た人達が、家の前に駐めて置いた車を掘り出したりしていた。
今日はお気に入りのカフェにも寄ることができて満足☆
ここの店員さんはカフェアート?がお上手で嬉しい。

さて昨日に続いて、1月21日イベント「脳科学と芸術の対話」関連で、ゼキ先生と対談を御願いしている宮島達男先生@tatsuomiyajima がゼキ先生の御著書『美をいかに感じるか―ピカソやモネが見た世界』(日本経済新聞社)を読まれた上での連続ツイートをされていたので、こちらに掲載させて頂く。
参加される方は是非、読まれることをお薦めします。

BRUTUS元副編集長の鈴木芳雄氏のブログにもご案内頂いています。
なお、同時通訳の関係により、事前申し込みが必要となっていますので、お早めに。
こちらからどうぞ。




2010年12月03日(金) 2 tweetsソース取得:
1. 脳科学者セミール・ゼキ博士(ロンドン大学)と東北大学で対談するので、「脳が美をいかに感じるのか」を勉強中。前々から「美の基準線」が人類共通に存在するはずだとの確信があったが、これを裏付けるような研究があって面白い。このあたりを連続ツイートで追ってみたい。
posted at 16:50:00

2.だいたい、文化や言語、宗教、民族が違うのになぜシステイーナのミケランジェロを見て泣けるのか。なぜ、時代や環境が全く違うのに莫高窟の仏像に心奪われるのか。美とは不思議である。脳の構造は5万年変わっていないと言う。であれば、脳が受け取るであろう情報も5万年は変わらないはず。

posted at 16:55:422010年12月05日(日) 1 tweetsソース取得:
3. 未だ廃れないテーマとして人物画・肖像画がある。人は人を見たいという本源的な要求。ちなみに、脳には紡錘状回という、顔の認識に特化した領野があるという。実験では、その細胞は「手」や単なる「線」を見るより「顔」への反応が著しいという。「顔」は「美の基準線」への入り口か。

posted at 10:16:082010年12月06日(月) 1 tweetsソース取得:
4. なかでも特に「眼」に活発に反応するという。ヒトが生存するために必要なのであろう。だから、子どもが人の顔を描くとき、まず眼から入るし、モナリザやフェルメールなどの肖像画を見る時、まず眼に心を奪われてしまう。さらには、眼だけで作品を成立させたマン・レイも可能となるのだろう。
posted at 10:19:52

2010年12月07日(火) 4 tweetsソース取得:
なぜ、脳と美なのか。ゼキ博士は「美術は視覚脳の機能と極めて類似した総合機能を持つ」と言う。これは、あくまで知覚レベルで、美術が人の心をかき乱したり、想像力を与えたりする情動的力については今回、言及しない。脳ですべてを説明できるとは思わないが、その機能に因っていることもまた事実。

posted at 11:10:172010年12月08日(水) 7 tweetsソース取得:
5.美を測るのは色とカタチ。面白いことに、それらを判別する脳の細胞は別々であって、実験では色の方がカタチよりも情報伝達が早いらしい。どおりで、最初の印象を瞬時に描き止めようとした印象派は、だから色なんだな。モネはカタチが色に融けている。また、抽象表現主義の感情は色でしか表せない。

posted at 17:50:432010年12月09日(木) 2 tweetsソース取得:
6.さらに色は、青と赤で反応する細胞が別々という。青に反応する細胞は赤には反応せず、つまり、色ごとに細胞が決まる。で、複雑な色味を判断するには、情報を比較しなければならないが、その細胞は見つかっていない。色は比較して判断ということはデッサンでは極めてあたりまえのワザ。
posted at 17:34:46

7.デッサンでは、白黒で色を表現するのだが、作れるグレーの色には限界がある。しかし、隣りの色を違えれば同じグレーでも違う色に見える。無限の色は関係によって可能になるのだ。

posted at 21:23:282010年12月13日(月) 2 tweetsソース取得:
8. もっと言えば、色は光の性質。物質には色はなく、色を感じさせる性質の光が反射し、脳はその性質を感じ特定の色を認識するのだと言う。油絵は下地に白色を塗ってから色で絵を描く。そのほうが、光が反射して色が美しく輝くことを知っているから。さもないと濁る。私たちは美に光を見ているのか。

posted at 14:21:222010年12月14日(火) 1 tweetsソース取得:
9. 色の把握に対して、カタチの把握はもっとロジカル。カタチを理解するには線の傾きが問題となる。この特定の傾きに反応する細胞のことを「傾き選択性細胞」と呼ぶ。この細胞は脳の皮質に無造作に配列されているのではなく、傾きに従って高度に秩序立って配列されているという。

posted at 08:36:362010年12月17日(金) 2 tweetsソース取得:
10. カタチそのものに取り組んだ例として、キュビズムがある。ピカソ、ブラックなどは、カタチを多視点から観察、統合した。これは、相当ロジカルな処理をしなければできない。で、面白いことに、彼らキュビズムの絵では、色が重視されない。カタチをロジカルに考えると色がなくなってしまうのか。

posted at 10:34:122010年12月24日(金) 3 tweetsソース取得:
11. グレートーンで色を想像させるように、カタチも全部作らないで途中で終わらせる手法がある。未完成の美だ。脳は、作られていない部分を想像することでより芳醇な刺激を受ける。このメカニズムにはモノを見るのは「眼」だけではないということを物語っている。
posted at 10:41:10

12. ゼキ博士は「恒常性の探求」と言う。常に変化する視覚情報から、本質的な特質のみを脳は見ていると言うのだ。たとえば、ひまわりの黄色といっても、曇り空や夕方に見るそれは色温度では明らかに違う色。なのに、脳が補正して黄色と判断して「見ている」のだ。美は「眼」だけでは見れないのだ。

【改めて関連リンク】
ゼキ先生の御著書『美をいかに感じるか―ピカソやモネが見た世界』(日本経済新聞社)
『「宮島達男 解体新書」すべては人間の存在のために』
上記を紹介した鈴木芳雄氏のブログ:『宮島達男解体新書』
by osumi1128 | 2010-12-29 07:09 | アート

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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