香りと記憶

香りと記憶_d0028322_230263.jpg昨日の日曜日、クインシー・マーケットという、まぁボストン観光スポットの一つに行ってきた。
いろいろな出店があって物色するのは面白い。
で、キャンドルのお店があって、これがまたいかにもアメリカっぽい香りのキャンドル満載!
キャラメルとかジンジャーブレッドとか、お菓子系の香りというのはきっと子供のうちから刷り込まれてしまっているのね……。




ちなみに、陳列棚というものに心惹かれるところがあり……。
(整然と品物が並んでいると妙に撮影したくなりますww)
香りと記憶_d0028322_233177.jpg


アメリカの空港に降り立つといつも同じ匂いがして、あぁ、また来たんだ、って感じるのだけど、きっとそれは床を磨くクリーナーのせいなんじゃないかと思っている。
そもそも哺乳類は嗅覚が非常に発達している動物だったはずなのに、人間ではネズミの1/100くらいに退化している。
視覚が発達しことによって嗅覚に依存しなくなっていって、でもそのおかげで、まぁ、文字の発明など、より文明を発達させることができたのだろう。
なので可哀想なことに、嗅覚を表す単語は「臭い」とか「香る」とか「甘い匂い」「シトラスの香り」「アップルサイダーの匂い」「雨に濡れた子犬の匂い(笑)」……などとなってしまう。

だが、嗅覚は深い記憶や情動に影響する傾向がある。

実はそのことをテーマにした小説があってロングセラー。
『香水―ある人殺しの物語』 (パトリック・ジュースキント著、文春文庫)
数年前に映画化もされた。
「パフューム ある人殺しの物語」
ネタバレになると面白くないので、ストーリーについてはここには書かないでおこう。
でも、とにかく私の大好きな本のひとつ。
その表すところは、認知脳科学的にものすごく深い。

今回の内田研でのラットを用いた実験というのは、ネズミで発達している嗅覚を利用して、意志決定のメカニズムやそれに対する報酬(reward)の意義などを明らかにするものだ。
私は、とある遺伝子変異ラットを用いて、野生型とどのように違うかを見るところから出発したいと思う。
先日「自閉症モデル」の論文受理として紹介したのだが、実は、このラットは当時山之内製薬の安全性研究所にいらした発見者の名を冠して「内田ラット」という名前が付いている。
まぁ、ことを知っているのは、15年前の知り合いくらいか。
そういう意味で、このラットをはるばるボストンの内田さんのところに連れてきたのは、本当に運命的な巡り会いなのかもしれない。
きっと良い仕事になると信じている。

さて、私のトレーニングのための絶賛ラットの行動解析は昨日で一応のデータ取りを終えて、今日から解析の仕方を教えて頂く。
MatLabユーザになる! って……なれるのだろうか……。
私の脳の可塑性が試されるってことね。
by osumi1128 | 2011-01-03 23:31 | 旅の思い出

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