「ハーブ&ドロシー」観てきました

「ハーブ&ドロシー」観てきました_d0028322_1811477.jpg久しぶりにラボに出勤した。
机の上の郵便物は、秘書さんによってかなり整理されてはいたのだが、それでも今日は見る気が起きず、学生さんの学位関係の必要最小限のことのみで退散。
まぁ、世間は連休だから、この間にリハビリしよう。

ところで、最近は映画を観るとしたら機上かDVDかなのだが、今日はどうしても観たいものがあって、大学から車で5分ほどの仙台フォーラムという自主映画館に行ってきた。
映画館に一人で行ったのは初めてなんじゃないだろうか……。
眼の周りは青たんで、あまり人に会いたい気分ではなかったし、マスクで顔を隠して視線を合わさないようにして……。





ちょうど本日から仙台上映となった『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』というドキュメンタリーが、どうしても観たかった。
すでに東京では8月末に試写会があり、秋には上映されていたのだが、なかなか仙台での開催情報が伝わって来なかった。
アメリカから戻ってすぐの週末に封切りなんて、まぁ、タイミングの良いこと……ww

さて、ストーリーとしては波瀾万丈というタイプの物語ではないのだが、主人公のハーブ&ドロシー・ヴォーゲル夫妻が半世紀近くにわたって淡々と成し遂げたことは、実はそうそう誰もができることではない。
舞台はニューヨーク。
1960年に出会った二人は、元々は自分で絵を描いていたのだが、やがて小さなアパートの壁に掛かった自分たちの作品を他のアーティストのもので置き換えていく。
郵便局員と図書館司書の給料で買える値段、アパートの部屋に入る大きさ、という制限のもと、ミニマルアート、コンセプチュアルアートと呼ばれるジャンルの作品の蒐集を始めたのだ。

終業後や週末にギャラリーを巡り、アーティストのアトリエに出向いて「もっと見せて欲しい」とせがんで、良いと思ったものを買っていく。
ジョン・チェンバレン、リチャード・タトル、チャック・クロース、ローレンス・ウィナー、ジェフ・クーンズ、クリストとジャンヌ=クロード、ロバート・マンゴールド、ドナルド・ジャッド、などなど。
狭いアパートの壁は埋め尽くされ、ベッドの下に入れた作品が重なってだんだん高くなって……。
やがてそのコレクションは数千点を超える数となり、アート業界に知れ渡るようになる。

熱帯魚の水槽の水がこぼれて作品が台無しにならないか、猫も亀もいるし、そろそろ年だし何かあってアパートを出なければならなくなったら……と心配したナショナル・ギャラリーの学芸員が「寄贈しないか?」と持ちかけて、とりあえずはコレクションがいったいどのようなものかを「調査」することになり、トラック5台で運び出して調べたところ、合わせて四千数百点!
結局、ナショナル・ギャラリーでは千点をキープし、その他は50点ずつ50箇所に展示することになったらしい。

それにしても、このご夫婦はとってもキュートで仲むつまじい。
趣味というか人生の目的を共有しているところがいいんだろうなぁ……。

このドキュメンタリーを撮影したのは、ニューヨーク在住の佐々木芽生(めぐみ)さんという方。
夫妻に対する暖かい眼差しが感じられる映像。

【関連リンク】
『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』公式サイト
フクヘン。:ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人
www.さとなお.com:映画「ハーブ&ドロシー」…ぎょ、ぎょうれつだ!(嬉泣)
iPhone用アプリ(画像や説明テキスト等)

「ハーブ&ドロシー」観てきました_d0028322_1843520.jpg

by osumi1128 | 2011-01-08 18:48 | アート

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