最先端・次世代研究開発プログラム採択決定【追記しました】
2011年 02月 14日
ようやく最先端・次世代研究開発プログラム、つまり、最先端プロ配り直し分の採択が2月10日付けで総合科学技術会議において決定された。
最先端・次世代研究開発支援プログラムの研究者・研究課題の決定について
(1) 研究者・研究課題としてグリーン・イノベーション141 件、ライフ・イノベ
ーション188 件、合計329 件を選定した。
(2) 女性研究者からの提案は、グリーン・イノベーション31 件、ライフ・イノベーション51 件、合計82 件を選定し、全件数に対する比率を25%とした。
(3) 全ての都道府県からの提案が含まれるように選定した。
本件は、そもそも自民党政権時代の最後に、景気対策という目的もあって特別会計が組まれたのだが、「グリーんとライフのみで良いのか?」という批判があったり、政権交代によって「待った」がかかって、最先端研究開発支援プログラムの選定も大幅に遅ったり、さらに500億円の配り直しの決定が為された挙げ句、「重複制限が厳しすぎる」(なので、個人的には応募断念)という問題もありつつ昨年5月に募集され、秋には採択者はほぼ決定されていたはずであるにも関わらず、結果の公表が年度末ぎりぎりになる、というドタバタな事態になった。
とくに、採択公表の遅れは異常ともいえるものであり、もし、この予算で、博士研究員や研究技術員を採用したいということであれば、4月1日採用の手続きが2月中には為されなければならないだろうから、課題採択者だけでなく、新規プロジェクトでの雇用をあてにしている方々も、さぞかしやきもきしたことであろう。
生物科学連合のような学会の寄り合い団体からも、採択公表を急いで欲しい旨の要望が出たりもした。
下記のような関係記事も出ている。
BTJアカデミック:【特別無料公開】若手期待の最先端・次世代研究開発支援プログラム、採択者の年度内決定に暗雲、和田政務官が申請書の追加提出を示唆
科学政策ニュースクリップ:最先端・次世代研究開発支援プログラム・騒動から何を学ぶべきか
ちなみに、本件は募集要項に女性研究者の採択比率の目安として25%という目標数値が掲げられたことでも物議を醸した研究費であるが、蓋を開けてみれば、ライフ系の応募者のうち女性比率は33%であって、それよりも低い27%の比率での採択になったのは、グリーン系が足を引っ張った形であるのは残念だ。
なお、東北大学の採択件数は以下の通り(カッコ内は女性)。
グリーン:14件(1件、7%)
ライフ:17件(7件、41%)
別の分析としては、全国女性採択件数との比較で
グリーン:1/31件
ライフ:7/51件
つまり、東北大学のライフ系研究では、女性がかなり頑張っているということ。
ともあれ、この研究費が若手・女性研究者の研究進展に役立つことを期待したい。