カタチと機能
2011年 02月 27日
私は写真班に徹していたのだが、有り難いお祝辞を聞くことができたのは幸いだった。
中でも、日本女子大学学長の蟻川先生はさすが学長先生だけあって、こういうスピーチでもユーモアたっぷりで素晴らしかったのだけど、同大学は今年110周年ということで、東北大学より歴史が古いってことなのだけど、母は幼稚園から大学までエスカレーター(笑)、さらにすぐに助手になって定年まで勤めたので、110年の歴史のうちの70年ぐらいを共に歩んだ、という事実は、なかなかに重みがあった。
一番印象的だったのは元・岡崎国立共同研究機構生理学研究所教授の濱清先生のお話。
濱先生は日本電子顕微鏡学会の会長も務められた方で、小さいときから母から御名前は聞いていたし、また自分の研究テーマが顔面発生から神経発生に移ってからは、学会や班会議でもお世話になっている。
濱先生のスピーチの中のエッセンスをひと言で言うなら「近年、形態学が軽視される傾向にあるが、機能が営まれるには、それに適したカタチが必須。なので、カタチを調べることも大事」ということ。
この場合のカタチは、臓器レベル、組織レベル、細胞レベル、分子レベルと、種々の階層がある。
肉眼解剖の時代、光学顕微鏡の時代、電子顕微鏡の時代、そして、今は、超高圧電子顕微鏡、多光子レーザー顕微鏡、X線結晶解析、NMR、蛍光標識、コンピュータ・シミュレーション等、さまざまな技術を駆使して調べることが可能な時代だ。
残念なことに、キットが多数ある分子生物学と異なり、形態学的なテクニックは習得に時間がかかったり、地味でコツコツ的な部分も多い。
いや、それはどんな研究でもそうかもしれないのだけど、とにかく、形態学の人材不足が嘆かれている。
でもって、母は頼まれもしないのに(溜息)NPO綜合画像支援(IIRS)なんてものを立ち上げて、濱先生や、山口先生や、山科先生などを(申し訳ないことに)巻き込んで、顕微鏡メーカーさんや日本女子大学の電子顕微鏡施設の方々に多大なご迷惑をかけつつ、技術サポートや共同研究先の紹介、技術紹介シンポジウムなどを行って、結果として、実家に帰るたびに「疲れた…」と言う次第。
(「だったら止めたら」と不肖の娘がいくら言っても聞かない……)
昨年だったか、めでたく認定NPOになったということもあり、「2000円を超える金額が控除」になるとのことなので、ご支援宜しくお願い致します。
【関係者のみなさま】
撮影した画像は、本ブログではないサイトに置いておきますので、追ってご笑覧下さいませ。