イギリスの食事

かなり暑いと思ったら今日の仙台の最高気温は32度という話だ。
やれやれ・・・

昨日ピザをお相伴した数学科の友人から、以下のようなメールが回ってきた。
<以下引用>
私は,8月はイギリスの食事つき研究集会に出かけます.これって,
かなり悲惨な食生活になること必至.(イギリスの大学のレストランってひたすら
まずいですよね. パブ食はけっこう美味しいのに). 
<引用終わり>

イギリスの食事が美味しいかどうかは(どこでもそうかもしれないけど)、確かにどこに行くかで大きく違う。
(林望は「イギリスは美味しい」というエッセイを書いていて、なかなか面白い)

オックス・ブリッジなどの大学では、各カレッジに付属した寮と食堂があり、夏休みの時期は学生が帰省するので、小さな研究会を大学で開催することがよくある。
今から約10年前に、「レチノイン酸研究会」なるものが、今はリタイアしたDr. Gillian Morriss-Kay主催で開かれて参加したことがある。
9月の頭で季節はすでに秋。
オックスフォードの確かリンカーンカレッジというややマイナーなカレッジだったと思う。
(あ、でもエントロピーのピーター・アトキンスなどはここの教授のはず)

研究会の前日に到着し、まず寮の部屋に案内されたが、16世紀くらいの建物という話で、木の床が傾いていて、ベッドやデスク、ドロワーなども年代物の雰囲気。
その後、ご飯を食べに寮の食堂に行くと、やたら天井の高い部屋の一番奥に「ハイテーブル」がある(教授達が食べるところ)。
私たちは部屋の両側にある普通のテーブルに着いて食事をするのだが、壁一面に飾られたカレッジごとの過去の教授達の肖像画に囲まれているのは、最初ちょっと落ち着かない感じ。
カフェテリア方式といっても選択肢は肉か魚かくらいであったかと思うが、料理を皿に載せてテーブルに戻ってきたら、「賄いのオバチャン」風の人が、よく聞き取れない英語で喋りかけてくる(いわゆる「コックニー」に近い発音)。
どうも何か怒っているようだと思ったら、結局のところ「テーブルの上にはハンドバッグを置いてはいけない」というマナーを教えたかったらしい。
食卓の上は「パンを直接置いても良い」場所であるから、バッグを置くのは汚いのだ。
こっちは、クロスのかかった上等なレストランでもないのですっかり気を抜いていたのだが、オバチャンには「マナーも知らない東洋人の小娘」に見えたのだろう。
レストランでバッグを置く場所を探すたびに、このエピソードを思い出してしまう。

イギリスのパブは概ね美味しいと思う。
・・・ぬるいビールを別にすれば。
年間平均気温の違いだから仕方ないのだろうが、イギリス人によく冷えたビールの美味しさを教えてあげたい気分だ。
ビネガーをかけるのがお決まりのフィッシュ・アンド・チップスは、新鮮な野菜や魚介類が食べられなかった時代の名残でノスタルジーは感じるが、私はあまり美味しいと思わない。
好きなのは「調理パイ」の類で、まあ、これも貧しい食べ物の部類ではあるが、日本ではあまり食べられないので、珍しくて頼むことが多い。

イギリス、とくにロンドンで多いのは中華料理とインド料理。
ただし、中華料理は日本の中華料理とは違う食べ物だと思うべき。
(シンガポールの中華は割と日本的だったが)

5年前くらいまで私は「やっぱりイギリスは美味しくない」と思っていたのだが、最近は、とくにEUが統合されてからは、良い食材が入ってくることになり、事情がどんどん変わってきている。
研究者でも食べ物にこだわる人たちが徐々に増えている傾向がある(本当に味覚として分かっているのかは疑問。「頭」で考えて「ヘルシーだから、珍しいから」美味しいと思っているかも)。
ま、そういう知り合いと一緒なら、滞在中にそんなにマズいイギリス料理を食べなくても済む。

どちらかというと、私はドイツの食事の方が遅れているように思うが、それはグルメなドイツ人の友達が少ないからかも。
by osumi1128 | 2005-07-18 15:41

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