言語の生物学の未来
2011年 03月 09日
私が今、研究を目指す高校生だったら、一番憧れるであろう分野が言語学と構造生物学だ。
言葉は人間らしさの象徴であり、キリスト教では神様から人間に与えられたことになっているけど、実際に進化的にはどんな風に言語が獲得されたのか、発達過程として、子供はどんな風に言語を獲得していくのかについて、とても興味がある。
なので、長谷川寿一先生からお声がけ頂いて『言語と生物学』のチャプターを書かせて頂いたり、今回のようにシンポジウムに呼んで頂いたりするのはとても嬉しい。
「え? 言語学って文系じゃないの?」という疑問は至極もっとも。
でも、ちょうど10年前にFOXP2という名前の遺伝子が発話に関わるとして脚光を浴びたり、言語コミュニケーションの障害が含まれる自閉症の発症に関して、責任遺伝子候補のリストが近年どんどん長くなっているように、ヒトのさまざまな営みの一つとしての言語活動に関して、生物学的な基盤を考える研究者も(たぶん)増えている。
あるいは、ERATOのプロジェクトを率いている岡ノ谷さんのように、ヒト以外の動物の言語を探るというアプローチを取る方もおられる。
とりあえず、この分野の方が目指しているのは、本日のスピーカーの一人であるDr. Cedric Boeckの言葉によれば以下のようになるのだろう。
Making our view of language
-Biologically plausible
-Evolable
-Neurally implantable
-Relevant for other fields
ちなみに、本日最後の綜合討論で、入來先生が「言語学が生物学から学ぶだけではなく、例えば構造生物学は言語学からsegmentationやhollisticな概念を取り入れた」って仰ったけど、そうなのかな?
いずれにせよ、これからの学問領域というのは、境界領域やよりマージしたものとなっていくだろうから、日本の現在の入試制度のような、文理の別や、それに合わせて高校の教育を分けてしまうことは大きな問題だろうと思う。
【関連リンク】
仙台通信:書評『さえずり言語起源論 新版 小鳥の歌からヒトの言葉へ』
仙台通信:はじめに言葉ありき『言葉と脳と心 失語症とは何か』
仙台通信:書評『美を脳から考える 芸術への生物学的探検』