東京出張&このタイミングに『ヤフートピックスの作り方』を読んで
2011年 03月 22日

でもって、いわゆる「地震酔い」を感じるのだけど、これは
地震でもないのに揺れているようなめまいやふらつきなどを感じる「地震酔い」に悩む人が増えている。車酔いや船酔いと同じように、視覚情報と平衡感覚とのズレが原因だ。ストレスも一因といい、専門家は「不安を和らげることが大切」と呼びかける。(asahi.com記事3/18)
と説明されているが、必ずしもそれだけではないと思う。
というのは、目をつぶって寝ていても揺れを感じるのだ。
たぶん、身体の筋肉が無意識で動いているのが、普段ならノイズとしてキャンセルされているのに、過敏になっていて「揺れ」として感知されてしまっているような気がする。
自分で思うだけで「リラックス」できたらいいのだが、それはなかなか難しい。
そんな状態なので、昼でも夜でも、いつでも外に逃げられる「災害モード」のいでたちで暮らしている訳だが、プチサバティカルのときと同じように毎日ジーンズにフリースで出勤というのは、ある意味、気楽でもある。
ネットに繋がってできる仕事は十分こなせるし。
とはいえ、現場に行かないとできない仕事もあるので、1泊2日で東京出張してきた。
今回用いたルートは、県庁市役所前→(高速バス)→山形駅→(空港ライナーバス)→山形空港→(JAL便)→羽田空港で、door-to-doorの所要時間としておよそ5時間(溜息)。
さすがに、JAL便は増発されており、高速バスも1週間前に比べれば落ち着いていて、長蛇の列ということは無かった。
これまで「仙台って、名古屋より近いんですよ〜。2時間ちょっとで十分会議に間に合いますし☆」って自慢(?)していたのだが、東北新幹線開通前状態に戻ったようなものか。
しかしながら、東北大学の人間としては、研究室復興以降もこのままだと大いに問題がある。
2時間、3時間の移動なら日帰り可能だが、片道5時間になると1泊せざるを得ない。
距離的にずっと遠い北大や九大の方が、時間的に近いことになる。
……というようなことを考えつつ、また、仙台だけでなく東京もデパートが6時で閉まっていて夜が今までより暗いなぁ、なんてことを見つつ、復路で『ヤフートピックスの作り方』(奥村倫弘著、光文社新書)を読んだ。
今回、被災地でも直後から入手できた情報ソースはラジオとインターネットだった。
もちろん、どちらもバッテリがあれば、という条件付きではあるが。
Yahoo! JAPANは毎日見る訳ではないが、見出しの付け方が上手いなぁと思っていたので、研究科の広報担当として参考になるかなと思って選んだ新書だった。
真ん中あたりに挙がっているトピックスは8本。
うちの研究科からのプレスリリースが元になった記事が載ったこともある。
見出しの「13文字」に凝縮されたニュースのエッセンスは、論文や総説のタイトルを考える際にも参考になる。
で、読み進むうちに、衝撃の事実を発見!(←煽るタイトルww)
「コソボは独立しなかった」
これはどういうことかと言うと、ヤフートピックスで取り上げられた「コソボ独立」の記事が、ほとんど読まれず(その日のシェアで2%程度)、つまり98%の読者にとって「コソボは独立しなかったも同じ」ということを意味する。
同様に、普天間基地の問題も、沖縄新報で「1面&最終面続き、9段ぶち抜き見出」で報道しても、Yahooではほとんどアクセスされていない。
2009年11月の月間閲覧数で言えば下記の具合。
エンタメ 25%
スポーツ 24%
国内 15%
地域 15%
経済 9%
海外 5%
サイエンス 3%
コンピュータ 2%
つまり、インターネットを介して情報を得る人々が多くなったとはいえ、何を情報として得ているかという現実はこういうことだ。
そこにきて、急に地震後の福島原発トラブル関係の情報が大量に出回っても、科学リテラシーという意味ではなかなか追いつかないのは無理もない。
今回の震災を契機として、日本再生のために考えるべきことは多い。