鎮魂と復興と:311震災から2ヶ月の今、できること
2011年 05月 11日
11日というのは911テロを連想させるし、46分は阪神淡路大震災が朝の5時46分だったことと(偶然)一致している。
1ヶ月目には、ちょうど大きな余震の直後であったが、さすがに2ヶ月経って、震度4を超えることは滅多に無くなった。
大学では長い春休みが終わって新学期が始まり、キャンパスには学生が戻ってきた。
もちろん、それは学部生の話であって、大学院生の大部分は研究室にいた訳だが。
仙台市内では一部の古い建物の大規模改修や取り壊しが始まっているものの、津波の影響はごく沿岸部に限られている。
連休の頃なんて、東京電力の節電対策に追われている東京よりも明るく活気があったくらい。
だが、東北地方の太平洋側のさまざまな地域では、まだまだ被災の爪痕は大きいようだ。
例えば、Twitter経由で辿り着いたブログ。
震災後の海おんなのブログ
震災から1ヶ月ほど経ってから、その日を振り返っての記録が残されている。
身内を捜して避難所を回り、もうさすがに諦めて遺体安置所を回り、おじいちゃんらしき人のDNA鑑定をしてもらい、火葬に出し……そういう毎日のことがらが淡々と。
福島原発近隣地域から避難された方は5万人にものぼるというが、沿岸地域全体の被災者の数は膨大で、阪神淡路大震災とは比べものにならない。
それぞれの人にそれぞれの被災のカタチがあり、「心は一つ、復興に向けて頑張ろう!」的なスローガンには違和感を覚える。
支援の仕方は、される側に合わせることが必要だし、ニーズは地域によっても時間によっても異なる。
一人ひとりが「できることをする」のでしか対応できないと思うし、そうであればこそ、この大変な時期を少しでも早く乗り越えるために、無駄なプロセスを省いて合理的な判断が迅速に為されるべき。
結局、集められたけど被災地には届かなかった防寒着や新鮮な果物など、悲しい滑稽さから脱却しないと、すべてが後手後手になってしまう。
さて、震災後に市民向けイベントとして、サイエンスカフェ@文科省情報ひろばを開催する。
私に今、できることはなんだろう、ということをいつも考えている。
サイエンスカフェ 「再生をめぐって~生命科学と、デザインの立場から - 大震災を越えて」 を開催致します。
・主催 :日本学術会議科学力増進委員会
東北大学脳科学グローバルCOE
文部科学省
・協力 :一般社団法人サイエンス・メディア・センター
・日時 :5月27日(金)19時~20時半(予定)
・会場 :文部科学省情報ひろば(アクセスマップ)
・テーマ :再生をめぐって~生命科学と、デザインの立場から - 大震災を越えて
・演者 :本江正茂(東北大学大学院工学系研究科都市建築学専攻都市・建築デザイン学講座 准教授)
大隅典子(東北大学大学院医学系研究科発生発達神経科学分野 教授)
※事前申し込みが必要です。
※本イベントはUstreamによりリアルタイム配信します。
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