GIGA-Neuroscience@Liege訪問

リエージュ大学の古いキャンパスはダウンタウンにあるが、新しい研究所(略称GIGA)は郊外の方に造られている。
ホストのDr. Laurent Nguyenにホテルまでお迎え頂いて、車で15分ほどの距離に病院含めた大学附属の研究所まで連れて来てもらった。
研究の概要説明の後に、フロアを案内してもらったが、10名ほどのPIの研究室で設備は共有しているようだ。
日本の研究室はどうしても縦割りになりがちだが、共同研究を推進する上でもコア・ファシリティー化は重要なシステム改革だろう。
もちろん、コア・ファシリティーは技術職員によって管理される必要があり、その経費をどんな風に捻出・支払いするのかも含めてのシステムになる。

Laurentも、ディスカッションした他のPIらも「日本からポスドクに来てくれる人がいたら大歓迎」と言っていた。
「日本の若い人はベルギーの研究環境がどのようなものか、よく知らないのですよね…」
「ここの研究環境はとても充実しています。iPS細胞を用いた最先端の研究や、病院との連携によるトランスレーショナルリサーチも盛んです。パリよりもポスドクの給料は良くて、家賃は半分ですよ。パリまで特急で1時間くらい。さらにロンドンまでも2時間で着くから、ヨーロッパの中のアクセスもいいですし……」
大都会よりも落ち着いた環境を好む人にはお勧め。

12:30から1時間ほどの研究所セミナーをし、その後、ランチとしてサンドウィッチが振る舞われた。
これも研究所からのサポートによる。
さらにNeuroscienceユニットのヘッドのBrigitte Malgrangeを含めPI3名とLaurentのラボのポスドク3名とディスカッションをする合間に、研究所のコミュニケーション担当者であるAurelie Gouverneurさんと話をする機会を得た。




そもそもは、Web pageAnnual Reportの質がとても高いと思って感心して、「これって外注ですか? それともin houseでやっているのですか?」と、ランチ時にLaurentやBrigitteに訊いたところ、「コミュニケーターがほとんど一人で担当している」とのことだったので、是非会いたいと思ったのだ。

Aurelieは研究者ではなく、大学でコミュニケーションを専攻した後、小さな組織の広報を担当し「資金が無かったので、ほとんどすべて自分で勉強しながらウェブサイトや冊子を造った」後、大きな会社の広報室を経て、3年前からGIGAにコミュニケーションのポジションが作られて就任したという。
「まったく何も無いところからだったので、テーマカラーを決めてウェブサイトを立ち上げるところからすべて自分でやりました。」
「ウェブの〈新着情報〉などは、原稿をもらっているのですか?」
「そういう場合もありますが、PubMedでGIGAからの論文が出ているかどうかを定期的にチェックして、自分で記事を書いています」
「え? 研究者に書いてもらったものを直して載せるのではなくて?」
「はい、そうするとなかなか原稿をもらえないので……(苦笑)」
うーん、やっぱりプロのコミュニケーション担当がフルポジションでいることは、これからの研究組織には必須なのだろうと思った。
「でも、サイエンスのバックグラウンド無しで、よくできますね」
「サイエンス・アドミニストレータの同僚にも協力してもらっています」
なるほど……。

という訳で、500名ほどの研究者を擁するGIGAを支える縁の下の力持ち?の方々の写真を掲載しておきます(ウェブ掲載了解済み。右側の黒いトップスの方がAurelieさん)。
GIGA-Neuroscience@Liege訪問_d0028322_7165483.jpg


本日の夕食、Laurentらと行ったのは、リェージュ大学の古い生化学・生理学の研究室の建物をそのまま利用したレストラン。
木のベンチがノスタルジックで、面白い。
GIGA-Neuroscience@Liege訪問_d0028322_7205564.jpg

テーブルマットになっている紙は、良く見るとアインシュタインの写真を元にしたデザインになっていて、上の写真の奥の壁にあるものと同じモチーフ。
このデザートを頂いたスプーンは、ほとんど「薬匙」(スパチュラ)だったし、ちょっと見えないけど、テーブルの脇に置いてあったオリーブオイルとバルサミコもスポイト付きの薬品瓶に入っていた(笑)。
GIGA-Neuroscience@Liege訪問_d0028322_7213471.jpg

明日はブリュッセル〜アテネ経由でクレタ島に移動。
by osumi1128 | 2011-05-17 07:30 | 旅の思い出

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