Stay foolish, stay stupid

東京出張からの帰りの新幹線。
スティーブ・ジョブズのことが頭から離れない。

スタンフォード大学卒業式の記念スピーチの結びの言葉「Stay hungry, stay foolish(ハングリーであれ、バカであれ)」は、サイエンティストを目指す人には必要な資質だ。
新しいことを貪欲に追求すること、バカのようにしつこくあれこれ試すことから、ブレイクスルーは生まれる。

表面的な効率を求めても駄目なのだが、ビギナーはいろいろなことをはしょろうとする。
「コントロールは取った?」「条件は振ってみた?」と訊いてようやく、サイエンスのお作法が何かを理解することになる。
「あれこれ試す」学生さんでも、ちょっと自分の立てた予想通りの結果が得られないと、すぐに諦めてしまう人が多い。
「転んでもただでは起きない」のが大事で、「他に何か無いか?」を見つけられる目が重要。
「予測通りの結果」はそこそこで、「予想外の結果」の方が、たいていの場合もっと面白いのだから。

ジョブズの言葉と同じコンテクストのこちらのエッセイ、一読をお勧めする。
The importance of stupidity in scientific research
Martin A. Schwartz
J Cell Sci, 2007

by osumi1128 | 2011-10-12 14:25 | 雑感

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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