ラボの設計

今日も朝から暑かったのだが、昼過ぎに一時夕立のような強いにわか雨が降った。
仙台では七夕の間に必ず雨が降ると皆が言うが、かなりの確率で当たる。
まあ、8月初旬の連続する3日間に一度も雨が降らない確率の方が、ずっと低いということだろう。
梅雨が明けても台風の可能性もある。


さて、金曜日に京都大学再生医学研究所の瀬原研さんのところにお世話になったのだが、その折に比較的最近移動された別の研究室の様子を見学する機会を得た。
イメージング系の研究室なので、メインの設備は特別仕様のレーザー顕微鏡で、何台もごろごろしている。
中でも一番エライ機械とおぼしきはクリーンルームの中に鎮座おわしましていた(?なんか日本語変?)。
もちろんそれだけで実験できる訳ではなく、普通の分子生物学実験室や培養室などもある。
このラボのセッティングは、オフィスと実験スペースが分離しているタイプ。
そのオフィスのコンセプトが興味深かった。
なんと、床が木製なのだ!!!
もちろん、もともとそうだった訳ではなく、リノリウムだかなんだかの古い床の上に組み木の床材を大きさ合わせて貼り込んだということ。
なーーんだ、大学の研究室でそんなことしてもいいんだ、と目からウロコ状態。

K先生に伺うと「だってこの方が綺麗に使えるでしょ」
御説ごもっとも。
私はそれよりも、木の床の暖かくてアットホームな雰囲気がとても良いと思った。
K先生は「本当は床暖房にしたかったんだけどね・・・」
それも素敵。
机の天板もホワイトオーク系のものだった。
珍しい点としては、K先生のオフィスが独立しておらず、オフィス全体を見渡す位置に陣取る形でK先生のデスクが配置されていて、ちょうど企業の一つの部のような感じだったこと。
「みんなwatchされているような感じで、やりにくくないですか?」と瀬原さんが聞くと、「本当はデスクトップモニタをもう1台置くつもりで、そうしたら少し視界が遮られるかなと思ってるけど…。でもあまりうちは関係ないんじゃないかな」

ラボというのはそれぞれ独特の雰囲気があって、自分の育ったラボの雰囲気をどこかしら受け継ぐところがある。
うちの場合は、「ラボとオフィス分離型」、「大学院生以上には各自デスクとキャビネットを支給する」、「机の天板は木目」というところが医科歯科のラボ譲り。
2年いた神経センターのラボは、大きな実験室の窓側がずらっとデスクスペースになっていて、このタイプも世間で多いのだが(面積的にはこっちの方が得)、私自身が遠心機の音や試薬の匂いのするところでコーヒーを飲みたくないタイプなので、分離型にした。
(実際、法人化後、実験室では飲食禁止というルールは厳しくなった)
また、自分のオフィスのスペースは確保したかった。
(自分のプライバシーを守るという面もあるが、もし同じスペースにいて、誰かがデスクに突っ伏してずっと寝ている姿を見たら、小言を言いたくなってストレスが貯まりそうだということでもある)
ただ、まるっきりisolateされた状態というのも良くないように思うので、原則として私のオフィスと他の人たちとの部屋の間のドアは開け放してある。
(よく考えれば、これも医科歯科時代のボスのオフィスと同じだ。このドアが閉め切られているときは、お客さんが来ているか、締め切りに追われて電話は秘書さんにブロックしてもらって必死に原稿を書いておられるかだった)
本当はガラスの間仕切り&ドアにしたかったのだが、建物全体で一律の間仕切りになってしまって味気ない・・・

それにしても日本の事務机等の什器は何故あんなに味気ないのだろう。
最大限にコストパフォーマンスを良くし、誰にでも不満の少ないような色合いを考えると同じ解にたどり着くのだろうか。
研究室の空間はクリエイティブな発想が生み出されるような雰囲気を持つべきである。
一番にはどんな人たちが集まっているかだが、インテリアも無意識レベルで大きな影響があると思う。
by osumi1128 | 2005-08-07 23:53

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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