英語、どう使う? どう学ぶ?
2011年 12月 23日
例えば、年に1回以上出向いている高校生向けの出前授業では、生徒さんと先生方に「理系でも英語、大事ですよ〜。将来仕事するのに大切ですよ〜」と必ず伝えます。
(本当は、国語も、なんだけど……)
今週水曜日、東北大学脳科学グローバルCOEおよび脳科学若手の会東北支部会共催で若手フォーラムが開催され、マイケル・ミラー先生の科学英語セミナーが行われました。
その内容は逐次TwitterでつぶやいてメモったのでこちらのTogetterまとめをどうぞ。
科学のお作法として基本的な内容です。
一番のポイントは、「最低限の基準(文法やスペル)を満たしていなければ、忙しいエディターは即、却下するだろう」ということです。
先週土曜日の「科学・技術フェスタ in 京都 2011」のパネル討論の折にも、研究者にとって英語は必要か、という話題が出ました。
益川先生は「天の邪鬼」なので、ノーベル賞の受賞講演を敢えて日本語でされて話題になりましたが、もちろん科学の世界で英語が必須なのは当然ということはわかっていらっしゃいます。
(例えば、こんな記事もありますが、パネル討論の際にご自身が「もちろん英語も大事」と仰っておられました。)
世界で何が為されたか、為されつつあるのかを知るには、英語で書かれたものを「読む」ことが必要です。
川口先生も国際的な協力連携のために「必要に迫られて」英語は使えるように努力した、ということを話されました。
共通することは、英語でコミュニケートする「必要性」です。
つまり、試験で良い成績を取るための英語の勉強ではなく、「使える英語」をどう学ぶかが大きな課題なのです。
また、どんなに流暢な英語が使えたとしても「中身」や「内容」が乏しければ、誰もそのような人の話に耳を傾けてはくれないでしょう。
これはすでに述べたことなのですが、「どの程度の英語のスキル」を目標とするのか、という問題があります。
バイリンガルなら日英両方100%のスキルになるかもしれませんが(書くこと含めてかというと、少しアヤシイですが)、仮に日本語力が80%で英語力が80%の人がいたとして、このような方は「日本語、ちゃんと伝わっていないことがあるから、心配なんだよね……。英語もパーフェクトって訳じゃないし……」ということになる可能性もあるということです。
とくに仕事としての英語力には「話す」だけでなく「書く」スキルも必要です。
話すのは少々文法が間違っていても意志は伝わりますが、書いた文章はその人の知性や教養を表す証拠として残ってしまいます。
つい先日も、「日本はTOEICを実施している世界59ヵ国・地域で58位の成績」という報道がありました。
これは、日本では受験生が多いということにもよるのでしょうが、「キャリアアップするのには英語力が必須!」と思って必死になって勉強する若者が他の国には多いという表れだと私は思います。
大事なのは、受験のためではなく(←ここポイント!)将来の「キャリア」のために英語を「身につけたい」と思っているかどうか、だと思います。
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