お初釜2012
2012年 01月 08日
普段、和室の無いところで生活しているので、久しぶりに畳の上に正座するのは、背筋が伸びて気持ちいのですが、足は辛い……(泣)。
今年はお水屋のお手伝いも無く、また明後日から海外出張ということもあって、着物をパスさせて頂いて、お客のみの参加だったので楽チンではあったのですが。
お茶の先生のお宅はお二階の和室に炉が切ってあり、奥の壁面に違い棚と床の間がしつらえてあります。
本日はお初釜なので、お軸は毎年恒例の御目出度い鶴に朝日(酒井道一の一派だったはずです)、お花は両耳付青磁の壷に侘助椿と猫柳、飾りの御香合も定番の「ぶりぶり」。
「ぶりぶり」なんて、昔のお正月の遊びに用いられた玩具だという説明で、お茶の世界では「はぁ、そうですか……」で済ませてしまうのですが、このブログを書くのに調べてみるとこんなかんじです→ぶりぶりの説明
ちなみに備忘録として、本日のしつらえは真台子、お茶入れは瀬戸肩付き(遠州流?かどなたかの宗匠の極め有り)、お茶杓のお作は鵬雲斎大宗匠、ご銘は「閑松(かんしょう)」、お仕覆のお布地は四座間道、お茶は一保堂の青雲(←これが一番好き!)を恒例の金銀の島台で(金の主茶碗で頂きました!)、主菓子はご近所「ちもと」の製で裏千家なので「花びら餅」、お干菓子は干支にちなんで竜の顔が付いた薄い(お茶用の?)お煎餅(何ていうのでしたっけね?)と落雁。
うーん、総合芸術のプロデュースですよね……。
しかも、同じお道具組であったとしても、お茶碗に練り上がるお濃茶まで考えれれば、まさに一期一会。
そもそも現代の日本の住まいで床の間がある家の割合はどの程度なのでしょう?
季節毎にお軸を替えたり、その日にお庭に咲いていたお花を投げ入れたり……という生活は、今ではむしろ「非日常」になりつつある気がします。
とっても和むし、素敵だなと思うのですが、和物のお稽古の折に触れたり、日本旅館に宿泊するときに堪能させて頂く感じです。
……まったくもって文化の伝承というのはエネルギーのいる活動なのだと思います。
守らなければならない「決まりごと」が少なくなればなるほど、実は自分の心を律するチカラも弱くなっていくのかもしれません。
今年はもう少し精進してお稽古伺いたいと思います!