お盆どき、でもセミナー

JRの新幹線の回数券が使えない繁忙期、すなわち世間でいうところの「お盆」シーズンに入った。
仙台では9時前の道路の混雑が少なくなる分、日中に他県ナンバーの車が増える時期だ。

昨年もそうだったが、8月は忙しい。
9月の頭に学位申請受付というのは、学生さんにも酷だが、その面倒を見ているスタッフにも辛いものだ。
学位申請は本人には一生に一度だろうが、こちらは年中行事。
せめて10月にしてくれたら、8月は少し余裕があるのではと思う。

たぶん全国の国立大学でほぼ同じだと思うが、しばらく前から「連続して3日間の夏期特別休暇」を取ることを「奨励」されている。
・・・というか、書類上は取らないといけないことになっている。
私の場合は今年は、今週10日、11日、12日が夏期特別休暇だ。
・・・が、あまりいつもと変わらない日々となっている。
まったく夏期特別休暇の意味がない。

私がしっかり休まないと他の人たちが休暇を取りにくいだろうことはよく分かっているのだが、スミマセン、今年はほんとに「いっぱいいっぱい」なんです・・・
学位を取りたい学生さんが3人、さらにすでに取って出て行った元学生の論文リバイスも重なっている。
また、月末の土曜日に午前と夕方と2つプレゼンの予定もあり、そのうち1つは仙台で開かれる進化学会で「言語の遺伝子と進化」についてシンポジウムで喋ることになっていて、こちらは初めての内容なので、しっかり準備しないといけない。
もう一つは「よく分かるプレゼンテーション」のノウハウを郡山で伝授するもの。
こちらは3回目なので、まあ大丈夫。

さて、そういうお盆の時期にもかかわらず、外からの講師によるセミナーがあった。
加齢研の仲村春和先生がホストされ、京大に移った阿形清和さんと北大の栃内先生が「脳の再生バトル」と題して1時間ずつのトークをされた。
阿形さんはCDBのさらに前、岡山時代、いや姫路工大時代から「切っても切ってもプラナリア」のプラナリアを材料にとても面白い研究を展開されているのは、このブログの読者のかなりの方がご存じだろう。
栃内さんは「ヒメミミズ」と「アフリカツメガエル」を材料にした再生を研究されている。
今日はそれを一度に聴けるというゴージャスなセミナーだった。
プラナリアが切っても切っても再生するのも凄いけど(かつて200以上に切り刻んだ断片からも再生したという論文があるそうだ)、アフリカツメガエルの大脳のかなりの部分を切除したものが、幼生なら難なく再生するというのも、鳥肌が立つくらい凄いと思う。
オトナのカエルだと切除しただけでは駄目なのだが、そこに幼生の脳の細胞を補充してあげると再生するというのも興味深いことだ。
ミミズの断片から脳が再生されるときに、もともと断片の中にある神経組織からではなく、上皮の細胞が脱分化してそれが脳の細胞になっていく、という話は、イモリの水晶体を除去すると、まったく別の起源の組織である虹彩から再生するという実験を思い出させた。
阿形さんの話のまとめで「細胞の進化、幹細胞の発明?と利用」が脳の(そして他の器官の)進化にもつながったのでは、というアイディアはinspiringだった。

神戸のCDBから母校の京大に移った阿形さんの、さらなる活躍にエールを送りたい。
by osumi1128 | 2005-08-12 23:55

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