パッケージ
2005年 08月 13日
ここのところ立て込んでいるので、年中無休のコンビニが有り難い。
生きている間にあと3万食も食べられないだろうことは予測できるので、美味しくないものを食べている場合ではないと思うのだが、ゴメンナサイ、ちょっと忙しいので勘弁して下さい。
・・・ということで、今日のディナーは「予約でいっぱいの店のシーフードリゾット」という、S&B製、ごはん新食感「アルデンテイスト製法」(特許出願中)、「銀座<ラ・ベットラ>落合務シェフの自信作です」「3種の魚介と白ワインのおいしい約束」、電子レンジで2分30秒、224kcal(以上パッケージ表記より)をメインにした。
夕食が224kcalでは心許ないので、ディナーによく合うと思われたカリフォルニアの白ワインでカロリーを補充。
さらに、リゾットは「予約でいっぱいの店」に相当するかどうか味を評価する前に無くなってしまったので、ワインのアテにジャンクフード1袋。
まったく、味覚を無視した組み合わせだ。
日頃学生には「工場で作ったものばかり食べてはいけない」と言っているのに、スミマセン。
ところで、この「予約でいっぱいの店のシーフードリゾット」は、似たようなレトルト系の食品の中で最もパッケージに凝っており、「召し上がり方」として以下のように記されている(図解付き)。
1)ごはん容器のふたを点線まではがし、別添の具入りソースを上から均一にかけてください。
2)ごはん容器、紙パッケージのふたを閉じて、電子レンジで加熱してください。※紙パッケージのふたはしっかりとめて下さい。
3)加熱後、紙パッケージのトレー部を必ず両手で持って電子レンジから取り出してください。
4)紙パッケージのふたをあけ、ごはん容器のふたをすべてはがして、よくかきまぜてお召し上がりください。※紙パッケージはそのままトレーとしてご使用いただけます。紙パッケージのふたは切り取れます。
(上記記載で分からない方は、是非「予約でいっぱいの店のシーフードリゾット」、もしくは同類のS&Bの製品を実際に購入してみて下さい。)
いやはや・・・この文化はまさに日本だと思う。
同類としては、コンビニのお握りだ。
(たいてい、外国人にやり方を見せると、手品のように思われる。)
しばらくいろいろなパッケージが乱立していたが、数年前にだいたい、真ん中をピーっと開けて、左右の包装を取り除いて、ハイ、パリパリの海苔でご飯が巻かれます、というスタイルが確立したと思っていたら、ちょっと前から、その改良版が出てきている。
うーーーーん、何故そんなにまでしてパッケージにこだわるのだろう???
たぶん、日本語の「包む」という言葉は英語のwrap以上の意味合いがあるのだと思う。
そこに日本の文化を垣間見ることができる。
風呂敷という単なる二次元の四角い布で、どんな物も包むことができるのだが、そのときに、ただ一般的な直方体のものを包むだけでなく、一升瓶の上手な包み方とか、スイカの包み方などが工夫されている。
骨董品などでは、何重にも箱に入れることによって、中身の伝来や貴重さを表すという文化が発達している。
デパートで「ご自宅用ですか?」と聞かれて「いえ、贈り物です」と言えば、無料で綺麗な包装紙にちゃんと包んで、リボンや熨斗をかけてくれる。
(しかもその包み方は無駄なく合理的で、最後にそのデパートの名の入ったテープが一カ所だけ貼られる、というのがお決まりだ。)
そういう文化がたかだか1個260円のレトルト食品のあり方にまで影響を与えているというのが凄いところだ。
でも、その開発コストは260円のうちの何円分なのだろう?
これも一種の「内需拡大」だと思っている。