複合災害:福島医大学長のお話

終わったことは端から忘れるようにする質だが、幸いなことにGoogleカレンダーさんが(入力しさえすれば)何でも半永久的に(←なのか?)覚えてくれているのは有難い。
例えば、「しばらく前に福島医大で講演をしに行った……」とブログに書こうとして、ふと「しばらく前って、いつだっけ?」と思って振り返れば予定として入力したものも(消去しない限り)そこに残っている。
最近は、To Do!というカテゴリを作って、その日にすること、として入力し、終わらなかったら予定を動かし、終わったら仙台用務のカテゴリの方に変更して、「あー、これが終わった」と安堵し、「よくやった!」と(誰も褒めてくれないのでww)自分を励ますことにしている。
仕事の進捗状況や論文のやりとりなどもこうやって残っているので、「そろそろWhat's new?訊く頃かなぁ……」などと考える訳だ。
もっとも、1週間も経っていないことを「いつだっけ?」と思うのもどうかと思うし、「えっと、あれは、イタリア人の客が月曜日に来て、その翌日の夕方だったから、2月7日の火曜日ね」という風に頭を使わなくなるのもよくないのかもしれない。

それはさておき、そう、福島医大に行ってきた。
同大学でも今年から始まった女性研究者育成支援モデル事業のキックオフシンポジウムだったのだが、その開始前に講演者の先生方で学長の菊地臣一先生との懇談の機会があった。
郷通子先生先生(元お茶の水大学学長、現情報・システム機構理事)が開口一番に「この度の震災では大変でしたね……」と労われて、「そうですね、いろいろなことを学びました」と菊地先生は穏やかな顔で仰った。





例えば、患者さんを輸送するヘリコプターは業者委託なのだが、避難勧告が為されたエリアにその会社があったらしく、ヘリはあるのだが操縦士が確保できなかったこと。
水の確保が難しく、病院のトイレは患者さん専用として、医師、看護師用には仮設トイレを設置したこと。
放射線医学の専門家が当時、学内にいなかったこと。

「……今回の震災というのは、地震+津波+原発という複合災害なのですね。皆、それぞれ単独の対策は考えているのだけど、それらが複合して発生した場合をあまり想定していなかった。今後も、地震+豪雨というような組合せの複合災害だって起きる可能性はあるでしょう。そういうことに対する対策を講じておく必要がありますね。」
という菊地先生のお言葉がとても印象的だった。

「……振り返ると大変でしたが、それでも嬉しかったのは、病院関係でほぼ誰も辞めたりしなかったのですよ。これは本当に有難かったですね。皆、本当に一生懸命やってくれています。」

シンポジウムではもう一人、大阪市立大学の上田真喜子先生も医療の現場における共同参画関係のお話しされたのだが、大阪医師会の中で20代は女性が半数近くになっているとのことだった。
そもそも、大阪府には、大阪大学医学部、大阪市立大学医学部、近畿大学医学部、関西医科大学、大阪医科大学と5つも医学部・医科大学があるのも、女性医師が多い理由かもしれない。
そして、大阪医師会ではブロックごとに、勤務医のための保育施設の確保などを進めているという。
うーーん、県内にたった一つしかない医学部は、やっぱりマッチョ路線かなぁ……。

コーディネータの本間美和子先生、大変お世話になりました。
これからも頑張って下さい!
by osumi1128 | 2012-02-12 21:11 | 311震災

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