高大連携:SSHと出前授業【加筆訂正】
2012年 06月 09日
これに加えて、火曜日東京出張、水曜日に宮城県大崎市の古川黎明高等学校とスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の打合せもあって、まぁ、出入りの多い週だった。
もう少しちゃんとスケジュール管理したらどうか?と思うので、来年のこの時期は気をつけようと思う。
水曜日に訪れた古川黎明高等学校は、もともとは女子高だったのだが、男女共学&中高一貫になった。
確かに、校長室に掲げられていた土井晩翠の作詞による校歌は、女子高時代の伝統を表すものだった。

SSHの取組みは、かつては「理系進学」が主眼であったが、だんだん文系希望の生徒も含めて、将来の市民としての「理系リテラシーの醸成」というところも押さえるようになったらしい。
これはとても良いことだと個人的には考える。
今の「エコロジー」の問題にしろ「原発をどう考えるか」にしろ、自分の専門性とは別に、科学技術に対する理解は大事な問題だ。
古川黎明高等学校は今年度からSSH採択だが、すでに東北地方大平洋沖地震の断層掘削中の「ちきゅう」とのSkype交信や、金環日食の観察眼鏡の製作と提供(学校が家内制手工業状態だったらしい)、アドバイザーでもある浅島誠先生、地震研究の今村先生による特別講義など、スタートダッシュの活動を開始している。
(今後の活動についても、これからブログに取り上げていきたいと思います)
木曜日の出前授業@県立秋田南高等学校は、全校生徒900名弱を体育館に集めての講演だった。
体育館はもちろん、運動を行うための施設なので、講演には不向きである。
声が響いて、残響が長いので、あまり早口で畳み掛けると、言葉がちゃんと伝わらない。
とくに、大事なことを言う前には、ちょっと待つくらいがちょうどよい。
なので、時間の見積もりには余裕を持つべき。
また、体育館で昼間に行うプレゼンでは完全に暗くしたりできないので、暗いスライド「例えば、暗視野でGFP標識の細胞を見せる」などが、とても見難くなることは折込済みで考える必要がある。
生の画像を使うときには要注意。
900名の高校生を60分以上、飽きさせないためには、いろいろな仕掛けも必要だ。
例えば、途中折にふれて「クイズ」を行なって、「参加している感」を感じてもらうことも大事だし、「動くもの」(ムービーやアニメーション)をうまく活用することも必要。
さらに、自分自身が壇上で歩いたり、スクリーンを手で指し示すなどの、アクションも効果的。
本当は、スライドの送りをリモートコントロールできるようにしておくと、なお良かったのだけど、それを忘れて来てしまった。
ともあれ、種々の「高大連携」が進みつつあることは喜ばしい。
大学入試は「目的」ではなくて「通過点」だとわかってほしい。