日本のアカデミア人材育成が危ない・その2関連資料など【追記】
2012年 07月 11日
ご質問に調べてお答えする時間が今、取れませんが、追って対応致します。
Facebookの方に頂いたコメントを掲載致します。
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榎木 英介 「博士漂流時代」http://www.amazon.co.jp/gp/product/4887598602 にも書きましたが、大学院重点化(1990年台初頭)はこれから科学技術人材の需要は増えるという予想が立てられていて、ポスドクが増やされたころは、博士がヴェンチャー企業などを作るだろうと甘い観測があったようですが、1998年の時点ですでにこの問題は気づかれていて、結局15年近く本格的な解決策がないままという悲惨な状況です…
榎木 英介 http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa199101/hpaa199101_2_022.html#fb1.1.2.8 これは平成3年の科学技術白書ですが、このままいくと需要に対し供給が全然足りませんよ、という図です。
榎木 英介 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/old_chukyo/old_daigaku_index/bunkabukai/gijiroku/1315605.htm こちらは大学審議会 大学院部会(第108回) 議事要旨(1998年)ですが、小林信一先生が2010年の予測として「博士課程では、雇用機会が12,000人から13,000人であるのに対し、現在の進学動向からすると、博士の修了者は18,000人前後となり供給過剰となるという結果である」と述べられています。
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もうお一方、貴重な資料を教えて頂きました。
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ブログに書かれた記事「日本のアカデミア人材育成が危ない」に関して、東京大学のXXX先生と話したところ、日本の論文数が停滞しているのは、若手ポストとか教員が忙しくなったのとは関係なく、主に企業からの論文が減ったことによるという見方をされていました。その根拠として下記の資料p.36を参照し、1997-1999を基準にして2005-2007の企業からの論文数は全分野で-34%、Top10%論文数では-46%という事実を指摘されました。ご参考まで。
http://www.nii.ac.jp/sparc/event/2010/pdf/8/1_1up_ms_saka_20110203.pdf
いずれにせよ、全体として日本の論文数が停滞しているのは問題であるのには違いありません。