クリスマス・レクチャー2012 in 仙台

クリスマス・レクチャーは発祥の地である英国では、もちろんクリスマスの頃に行われる。
ろうそくの科学』でもおなじみのマイケル・ファラデー先生が、子どもたちのために行った科学実験のショーが初めて行われたのは1825年というから、もう180年以上の歴史がある。
本家ではRoyal Institution(王立協会)が主催しているが、日本でも同じ講師の方による講演(公演と言うべきか……)ブリティッシュ・カウンシルのお世話により開催されるようになり(読売新聞社との共催、東北大学も後援)、今年で23回目を迎えて、先日横浜で、本日仙台での開催となった。






実は、仙台で開催されるのは今年が初めてではない。
20年ほど前にも、東北大学が関わって開催されたことがあり、そのときの講師はなんとリチャード・ドーキンスだったらしい。
その話は、レクチャー前日のリハーサルの後に行われた懇親会の席で、東北大学の青木副学長(広報担当)と、東北大学サイエンスカフェの生みの親で、今回大活躍だった吉澤誠先生から伺ったのだが、今調べたら、こちらにも載っていた。

今回の会場は、昨年の震災後、修理された川内萩ホールだったが、本家の雰囲気に近いものがあったと思う(本家の座席の階段はもっと急)。
来場者は400名ほどとのことで、これは同時通訳のレシーバがもう少し準備できれば、もっと増やしても良かったのかもしれないが、まぁ、夏休みに入った小中学生が多数参加してくれたのは嬉しかった。
今年からSSH指定校になって、そのアドバイザーをしている古川黎明中学校(中高一貫校)の生徒たちも来てくれた。
私の隣に座っていた女子生徒さんとその母親は東京から参加しており、明日からの東北大学オープンキャンパスに出向くついで、というタイミングでもあったらしい。

講師のブルース・フッド先生はブリストル大学の認知科学の専門家なのだが、なかなかのエンターテイナー。
すでに、王立協会主催のレクチャーをBBC放映録画で見てはいたが、やはり実際に「生」で見ると、よりヴィヴィッドな印象になる。
また、「小道具」の重要性もよくわかったので、(生きたヒヨコは無理としても)これから授業でもできる限り取り込めると良いかもしれない。
聴衆参加型というのも大事なポイントだろう。

他に小さな実験をお手伝いされた邑本俊亮先生は、後から知ったのだが、総長教育賞も取られた方で、先日、東北大学高等教育開発推進センターから配布された『大学の授業を運営するためにー認知心理学からの提案ー』という本を書かれた方だった……。

中身が脳科学だったので、仙台開催の「監修」という立場だったが、実際には、王立協会からの2名(プロンプトや小物などを作成)、ブリティッシュ・カウンシルのSさんや、読売新聞社のEさんほか皆さん、イベント企画運営会社のHさん、映像関係の方々、そしてなんといっても、ボランティアの学生さんたち20名くらいが多岐にわたって大活躍したお陰で成功裏に終わったと思う。

本日の講演は編集されて、10月14日にEテレで放映されることになっている。

【参考リンク】
昨年の東京開催の様子

動画(QuickTimeかRealPlayerで動作します.700MBでダウンロードに時間がかかります)
by osumi1128 | 2012-07-30 00:37 | 科学 コミュニケーション

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