時代は「ゲノム医療」へ
2012年 09月 01日

さすが、元「大学翻訳センター(Daigaku Hon-yaku Center)」のDHCさんだけあって、化粧品やサプリメントだけでなく、サイエンスっぽいイメージのある事業への飛びつきが早い。
どうやるかというと……
キットに入っている採取棒で
ほおの内側をゴシゴシするだけ!
生活習慣を記入したマークシートと一緒に、
同封の着払い伝票をつけて、宅急便でお送りください。
すると……
専門機関で検査を行います。
※お客様の遺伝子情報は、「経済産業分野のうち個人遺伝情報を用いた事業分野における個人情報保護ガイドライン」に基づき、厳重に管理を行います。
ということ。
でもって
採取棒のご返送後、 2~3週間で2種類のレポートをお届けします。
お一人おひとりに合ったきめ細かいアドバイスが、
あなたのダイエットを成功へ導きます!
まぁね「遺伝子型」を4つに分けるのは、血液型のA, B, O, ABと同じような感覚なのかもしれないけど、実際は、人それぞれの特徴を決めている遺伝子の数は膨大(ざくっと言って2万くらい)なので、いくつかの遺伝子の「個人差」の部分を調べただけで「リンゴ型」などに分けることなんてできないのだけど、遊び感覚では「アリ」なのかもしれない。
もう少し真面目な話をすれば、時代は確実に「ゲノム医療」に向かいつつある。
8月頭に出された日本学術会議の提言「ヒト生命情報統合研究の拠点構築 ―国民の健康の礎となる大規模コホート研究―」は、このようなゲノム医療を導くための研究を推進することを謳っている。
キャッチフレーズを付けるなら「ゲノムコホート100万人計画」だ。
日本人100万人から同意のもとに血液サンプルを得て、その遺伝子の総体(ゲノム)を調べることにより、病気に罹るリスク、薬の効き方や副作用の個人差などを明らかにしようとしている。
本年、文科省の指導のもとに「東北メディカル・メガバンク計画」が立ち上がり、東北大学および岩手医科大学がそれぞれ宮城県と岩手県の被災地を中心として、合計15万人規模のゲノムコホートとバイオバンク事業を展開する。
東北メディカル・メガバンク機構
先行事例としては、かならずしもゲノムコホートではないが、国内では以下のようなものがある。
バイオバンクジャパン
長浜コホート
多目的コホート研究
英国では、長いコホート研究を元にUK Biobank事業が展開されているし、カタールも国をあげて取り組んでいる。