美は眼窩前頭皮質に宿る

ユニバーシティー・カレッジ・ロンドンのセミール・ゼキ先生は、視覚系の脳科学研究の大家。
ちょうど震災前の1月に仙台でご講演を頂いたのだけど、このたびPLoS ONEという雑誌に美しさに反応する脳の部位を明らかにしたという論文を出された。
予め30名の被験者により判定された「美しい」「微妙」「醜い」画像および音響刺激を21名の男女に与えて、そのときの脳の活動を計測して差分を取ることにより、「美しい」刺激に反応している脳の領域は、ちょうど眼の裏側あたりに相当する内側眼窩前頭皮質という部位だということがわかった。
つまり、「美はそれを鑑賞する者に内在する」という訳だ。

個人的には、最初の刺激の選定に用いられたのがどんなものだったのかがとても知りたかったのだが、なぜかPLoS ONEからのリンク先が「404 Not Found」になっており、たどり着いたGogent 2000も中身が見られないので、とりあえずちょっとギブアップ……。
ともあれ、石津さん、おめでとうございました!

一般向けの記事はこちら(いずれも英語):
Beauty lies in the medial orbito cortex of the beholder: Scientists find the part of the brain that controls what we admire
Beauty Is in the Medial Orbito-Frontal Cortex of the Beholder
Beauty is in the brain of the beholder

ゼキ先生のHP

ゼキ先生関連で書いたブログ
セミナー@Richardson研&ゼキ先生表敬訪問
ゼキ先生X宮島先生「脳科学と芸術の対話」【さらに加筆】
ゼキ先生のホームページご紹介
ゼキ先生のブログより:「宮島達男:絶え間なく変化する世界の美術作家」【リンク追加】
ゼキ先生のブログより:「空白の壁と豊かな想像力」

ゼキ先生のご著書:脳は美をいかに感じるか―ピカソやモネが見た世界
by osumi1128 | 2012-09-14 08:18 | サイエンス

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