白馬の王子様シンドローム?

4日間の日本神経科学大会@名古屋から戻りました。
前日の理事会からなので5日ですね……。
昨年、大会長を務めさせて頂いたので、今年は関係各位に1年前の感謝をお伝えする意味もあって、最初から最後まで参加しました。
本当にあっという間でしたが、震災後にハイパーになっていた1年だったと思います。

3日目、懇親会の前に学会の「総会」が開かれました。
会員数5800名近くの団体なのですが、総会に出席する方は多くはありません(苦笑)。
まぁ、どの学会も似たようなものかとは思いますが。
総会では神経科学学会からの表彰として、「時実賞」と「奨励賞」の贈呈式を行うのが通例です。
時実賞は、脳科学者の時実利彦先生を記念して、神経科学分野で功績のあった方に授与されるもので、今年は、柚崎通介先生@慶應大学と戸田達史先生@京都大学でした。
白馬の王子様シンドローム?_d0028322_21163014.jpg
奨励賞は若手の方々で今年は5人の方に授与されましたが、その中で女性は1名。
2001年からの歴史をさかのぼってみましたが、初めての女性なのではないかと思います。
その栄えある受賞者は名古屋大学の上川内あずささん。
すでにPIとして自分の研究室を主催され、ショウジョウバエを使った聴覚系の研究をされています。

この賞の応募者に「女性が少ないね」ということが理事会で話題になっていました。
例えば、そもそも応募者に女性が少ない、手を挙げる女性が少ない、という現象のことを私は「白馬の王子様シンドローム」と呼んでいます。
「誰かが私のことをちゃんと見てくれていて、きっと推薦してくれるはず。そうしたら有難くお受けするの♬」

と夢見て待っている、というイメージです。
もしかしたら、「命を繋げる性」としてエネルギーをセーブしているのかもしれません。
「だって、倍率高いから、応募してもほとんど当たらないし、そんな無駄なことはしたくないわ」

翻訳をしている『Why aren't more women in science』という本の中にも、女性の方が申請書の書き方が杜撰、という傾向があることが指摘されていました。
具体的に言えば、業績を全部挙げていない(男性の方が少しでも良い評価になることを意識してきっちり挙げる)、賞を書いていない(男性はどんな小さな賞でもプラス要素と思って挙げる)などとのことです。
……という話は、2日目の男女共同参画委員会企画のランチミーティングでもお話しました。
皆さん(女性も男性も)手を上げてナンボ!ですよ。

関連リンク:
この人に聞く「生命科学に関わる仕事っておもしろいいですか?」(上川内さんの回)
女性研究者総覧
by osumi1128 | 2012-09-21 21:29 | ロールモデル

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