『論理が伝わる「書く技術」』
2012年 12月 22日

日本語だけでも良いので、人の話を聞くこと、メモを取ること、資料を調べること、自分の意見を言うこと、長い文章の要旨や会議の議事録をまとめること、論理的な文章を書くこと、これらは、高校までに身に着けておいて頂く訳にはいかないのでしょうかね?
そういう基本的なスキルがあった上での専門教育なのではないかと、ふと思うのです……。
とはいえ、現状がそうでないので、大学のセンセイは学生さん(だけじゃないけど)に対して各種文章の「添削」(←この言葉は好きではありませんが)をするのがお仕事の結構な部分を占めることになります。
最近読んだスキル本の中で、『論理が伝わる「書く技術」』(倉島保美著、講談社ブルーバックス)は、文章作成のノウハウがとてもわかりやすくてお勧めです。
副題の<「パラグラフ・ライティング」入門>が、この本のエッセンスですね。
「おわりに」から引用します。
文章指導をしていると、「なぜ、日本では論理的な文章の書き方を、大学で指導しないのですか?」と質問されることがあります。私には2つの理由が考えられます。
1つは、コミュニケーションを重視しない文化だからです。日本人はもともと農耕民族(=定住)であり、ほぼ単一民族なので、日本はハイコンテクスト文化と言われます。つまり、明確に伝達せず、相手の意図を察しあう文化です。そのため、明確に伝達することにあまり価値を置いていないのです。
もう一つが何かは、本書を読んでみて下さいww
来年は、「研究推進・倫理ゼミ」でプレゼン・スキルを教えるときに、少し「文章作成との対比」を取り入れてみようかなと考えました。