センター試験

今日明日はセンター試験。
受験生の皆さん、そして試験監督その他、運営に関わる皆様、寒い朝になりましたので、お気をつけて。

かつて共通一次試験という名前のものを受験したのは、ごく狭い世代ですね、なんてことはどうでもよいのですが、いずれにせよ、センター試験や大学入試は、大学の教職員の仕事として「マスト」です。
朝早い集合時間で、何かの粗相があったらメディアに大きく取り上げられるので気は抜けず、とくにセンター試験は受験生の便を優先するので必ず土日開催。
これを「免除」されるのは、長期療養中、長期出張中、日本語に不自由があると判断された外国人教員、入試実施本部要員などに限られています。

そもそも、こういう全国一斉に同じ日に行う大学入試のためのシステムがどうか、という問題も大きいのですが、それは別の折に論じるとして、昨日、全学の男女共同参画委員会で話題になりましたのが、「育児期の教職員にとって、センター試験業務負担が大きいこと」に、全学としてどのように対応するべきか、ということでした。
例えば、東北大学には「川内けやき保育園」という学内保育園がありますが、こちらは通常、日曜日は保育を行なっていませんので、センター試験のある日曜日を開園日にしてもらうのはどうか、という対応がありえます(さらに、おそらく朝8時よりも前から預かってもらわないと集合時間に間に合わないかもしれません)。
あるいは、育児や介護の負担が大きい教職員(男女限らず)は、センター試験業務免除扱いにし、その分の負担は皆で追う、という考え方もあります。
後者は「だから子育て期の女性が増えると困るのよね……」という妬みなどを生みやすいこともありえますが、次世代は社会全体で育むという意識を醸成させることは、少子化が進行する日本において重要だと思います。

先日訪問したマックス・プランク進化人類学研究所でディレクターをしているぺーボ先生は、1955年生まれですが、昨年秋にちょうど女の子が生まれたところで、そもそも日本にお招きしようと思ったら「子どもが生まれるので、今年は無理」と言われたのですが、奥さんも同じ研究所の他のラボで研究員をしているので、いわゆる共働きです。
先日もディナーの前に「ちょっと先に息子を寝かしつけなければいけないから、いったん自宅に帰るので、じゃぁ、7時15分に待ち合わせね」とのことでした。
男性の育児参加は少子化阻止のための第一歩なんじゃないかな、と思います。
(ちなみに、ぺーボ先生の父上がプロスタグランジンの発見でノーベル賞を取られたSune Karl Bergströmだったというのは、比較的最近に知りました……)
by osumi1128 | 2013-01-19 08:35 | 雑感

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