時間の感覚(そしてプライスコレクションの話)
2013年 03月 09日
TwitterやFacebookのようなソーシャルメディアの利用が楽になったということも、まとまった内容のブログを書くことを妨げているのかもしれません。
でも、TwitterやFacebookは、基本的にはすでにwebに載っているコンテンツの二次利用が多いので、クリエイターとしてはコンテンツを作る方にエフォート割きたいのですが、種々、本来の業務があり……。
本日は「時間の感覚」というお題です。
今週、論文が1つ受理されました。
震災前から抱えていたものだったので、これでまた一つ、肩の荷が下りました。
昔は、論文投稿するのは国際郵便で、24時間営業の中央郵便局まで抱えて走った、という思い出を共有する世代の方々も多いと思います。
今はオンライン投稿が当たり前で、原稿はタイプした紙ではなく、ファイルを用意しておいて、それをアップロードしていくのですが、これがそれぞれの雑誌のスタイルが異なっていて、結構面倒。
アップロードに時間がかかるといっても、数時間で終わる訳で、郵便で送るよりははるかに短い。
かつては、さぁ、これでオフィスから届いた(received)のお知らせが来るまでは、acceptの期待に胸を膨らませて幸せな日々を過ごせる♫ とほっとした訳ですが、今は、「これこれがフォーマットに合っていません」「この項目が抜けています」などのお知らせが半日後に届いたり、あるいは「editorial reject」の連絡もあっという間に来ます。
あるいは、PCがいろいろなタスクをマルチにこなせるようになり、一つの画面での処理が遅いと、その間にメールを見たり、他の検索をしたり……。
そんな日々を過ごす間に、自分の時間の感覚はどんどん短い単位に移行している感じがします。
「待つ」という時間が持ちにくい。
もちろん、時間の感覚は生きてきた長さに反比例するという経験則のようなものもありますが、そこに昨今のIT化は拍車をかけている気がします。
お茶のお稽古に行く時間が取れていないのも最近の残念なこと。
お稽古の間、ほんのしばしでも、
お釜の煮え滾る音に耳を澄ませたり
お香の香りで鼻腔を膨らませたり
床の間の掛け軸の字を読んだり(←読めないので時間がかかる)
季節のお花のしつらいを愛でたり
茶筅を振りながら茶碗の中の景色だけを見つめたり、
……一切の余分な脳内マルチプロセスを排除してシングルタスクにするような、そういう時間が、実はとても大事なのかもしれないと、今、本当に思います。
さて、3月はいろいろな震災復興関連イベントが目白押しの仙台なのですが、イチオシはなんといってもこちら
仙台市博物館特別展「若冲が来てくれました プライスコレクション江戸絵画の美と生命」
先日、内覧会で見てきましたが、圧巻です!
作品数も多いですし、なにせお宝満載のプライスコレクションです!!!
そして、プライスさんご夫妻は「是非、子どもたちに見てほしい」ということで、高校生以下は無料!
若冲の圧倒的な作品の前で、時間を忘れる機会をまた作らなければ……。
中身を先に知りたい方はFUKUHENさんのブログをどうぞ!
でも、実際に見たら、もっと感動しますよ!
大きさも、質感も二次元はリアルに敵いません。
「若冲が来てくれました―プライスコレクション 江戸絵画の美と生命―」仙台市博物館
それから、こちらの豪華本、監修の辻惟雄先生は東北大学教授でもあられた方ですので是非!
ザ・プライスコレクション
画像はiPhone撮影なので、ご勘弁あれ。