『よつばと! 第12巻』よつばちゃんはリケジョになるか?

『よつばと! 第12巻』よつばちゃんはリケジョになるか?_d0028322_17591179.jpg昨日のこと、予約してあった『よつばと! 第12巻』がAmazonさんから届けられて一気読み!
巨匠と呼ばれる「あずまきよひこ」さんの『よつばと!』シリーズは、大好きな漫画です。

もう10年くらい前からの作品らしいのですが、物語は緑色の髪の毛という設定の5歳の「小岩井よつば」ちゃんが、5歳の7月、世間が夏休みになる頃に、綾瀬家の隣に引っ越してくるところから始まります。
1話が1日分くらいで進むので、10年経ってもよつばのカレンダーでは5歳の10月末くらい(笑)。

よつばは「とーちゃん」と呼ばれる翻訳家のお父さんに育てられているのですが、隣のお家の三姉妹(あさぎ、風香、恵那)やそのご両親、ジャンボ、やんだ、と呼ばれるとーちゃんの仲間などなど、皆に愛情を注がれているのがわかります。
妙にオトナな言葉を知っていて、でも使い方が微妙におかしかったり、子どもって、あぁ、こういう場面、いろいろあるよねー、という可愛いエピソード満載なのですが、今回改めて気づいたのは、よつばは未来のリケジョになるかも?ということでした。

よつばは周囲の生き物だったり、人間だったり、モノだったり、ものすごくよく観察しています。
(……という様子を、作者のあずまきよひこがよく見ている、ということでもあるのですが。
たしかに、背景のものすごく細かい描き込みなども、同じ指向性かも)
以下、ネタバレになるので、これから12巻を読もうと思っている方は飛ばした方が良いかもですが(笑)、今回のエピソードの1つに、青色のペンキを見つけて、それで机を青く塗る、というものがあります。

よつばは5歳の女の子ですから、当然のことながら、ペンキを上手に塗ろうとはするのですが、周囲にはペンキが垂れたり、それを踏みつけた足で歩いたところに足型が付いたり、ペンキの付いた手でこすった顔も青くなったり……。
で、机のペンキ塗りが完成して満足したよつばが、床が汚れていることにハタと気付き、雑巾で拭いても取れない。
え?と思って手を洗いに行くのですが……それも、と、取れない……!
よつばはかなり焦ります。
そして、周りを汚してしまったことにも気づき、とーちゃん(自宅で仕事をしています)から怒られるかとビクビクするも、仕事部屋から降りてきたとーちゃんは大笑い。
よつばが「(ペンキは)取れる?」と聞くものの、笑いながら「取れない(きっぱり)」と言い残します。

で、その後、いろいろ細かいエピソードを端折りますが、とーちゃんが魔法の水(アルコール)でペンキで汚れた床の掃除を一緒にやろうと勧めます(本当にアルコールでペンキが落ちるのか、疑問ですが、ボトルには「エタノール」らしき文字が読めます)。
よつばは「オトナの掃除だ!」と喜んで掃除に専念します。
そして……

……「てにそれしゅってして!」と、とーちゃんに言うのです!

この「ひらめき」って、科学者の卵だと私には思えます。
こういうセンスを伸ばしていったずっと先に研究もあります。
漫画の中でよつばちゃんがリケジョになるかどうかを見届けるのには、何年かかるのかわかりませんが、その素質は十分だと思います。
もしかすると、学校でいろいろなことを「教えられる」ことによって、自ら考えることが減ってしまうのかもしれませんね。

ともあれ、『よつばと!』は誰よりもイクメンに、そして未来のイクメンに一番読んでほしい漫画です。
子どもが少しずつ育っていく姿を見ることの楽しさがわかります。

とーちゃんは、よつばがペンキで汚した廊下を掃除して、最後1つだけ足型を残します。
「なんで?」
「んー、なんか記念だ」

是非お勧めです!!!

よつばと! 第12巻(あずまきよいひこアスキー・メディアワークス)
こちらもww
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by osumi1128 | 2013-03-10 18:10 | 書評

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