神経神話のウソ? ホント?
2013年 03月 23日
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さて神経神話クイズです。下記に挙げたなかで神経神話だとされているものは、いくつあるでしょうか。
1 私たちの脳は10パーセントしか使われていない
2 脳に関して重要なことはすべて3歳までに決まってしまう
3 幼児期における語学などの早期教育は必要である
4 クラシックを聞くと頭が良くなる
5 人には左脳タイプ、右脳タイプというものがある
6 成人の脳は新しい神経細胞をつくらない
7 ゲームをすると脳を刺激させ、脳を若々しく保つことができる
8 男性の脳と女性の脳は違う
9 お酒を飲むと脳の神経細胞が殺される
10 記憶力は向上させることができる
11 眠っている間も学習することができる
12 クスリは脳に穴を開ける
13 ワクチンは自閉症を引き起こす
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これ、すべて嘘(=神経神話)だとされているのですが、8は異議ありですね。
おそらく「男性の脳と女性の脳は違う」と言ってしまうと、違いが強調されるすぎるからなのかもしれず、フェミニストからは気に入らないと思われるでしょうが、生物学者としては「違うよね」と言いたい。
先日、遺伝リテラシーに関する学術会議のフォーラムで、「遺伝子が異なる」ということが「差別」に繋がるからよろしくない、というご意見がありましたが、全ゲノム解析時代になれば、「一人ひとり皆、ちょっとずつ違う」(異なるSNPの組み合わせなど)ことが理解されるようになるのではないかと思います。
また、DNAレベルの違いだけでなく、実際にはエピゲノムレベルの違いも大きいので、「遺伝子決定論」も、実は正しい部分とそれだけでは決まらない部分がある、ということが理解されれば、異なる塩基配列(ACTG)も「怖くない!」と思えるようになるのでは?
そういう意味で、一人ひとりの脳も、実はちょっとずつ異なるし、男女の脳も、形のレベル、機能のレベルでの違いがあることも理解が浸透して欲しいと思います。
「違う」ということは「優劣」ではないのですから。