東北大学縁の女性研究者#4:栗原和枝先生
2013年 07月 09日
御着任は1997年で私は1年違い。
当時は反応化学研究所というところの教授でしたが、2001年改組により多元物質研究所になり、さらに2007年からは世界トップクラス拠点WPIの原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)に移られました。
ご専門は「界面化学」という分野、とくにナノ界面に関することです。
栗原研のwebサイト
私自身は研究上の接点は無いのですが、日本学術会議の折や、学内外の男女共同参画委員会関係でご一緒することが多くあります。
東北大学の女性科学者育成支援事業、「杜の都女性科学者ハードリング支援事業」の立ちあげに関して、栗原先生はその施策立案のところから、学内の事業準備に関して、多大な貢献を為されました。
「ハードリング」というネーミングは栗原先生のご発案です。
それは、女性が科学者としてのキャリアを続ける際に、ロールモデルの不足、出産育児による負担、介護による負担など、いくつかの障害=ハードルがあり、支援事業では、女性がそのハードルを越えていくお手伝いをしましょう、という意味なのです。
そして、ハードリングという競技では、ハードルは倒してもOK。
つまり、さまざまな障害をみんなで超えて、みんなでハードルを倒していけば、障害が無くなる、ということでもあります。
この事業は3年間、文部科学省の支援により行われた後、現在は学内経費で続けています。
「東北大学サイエンス・エンジェル」もこの事業により行われているのです。
栗原先生とお話をしていると、本当に周囲の方々に気を配って、慎重に物事を進められるというご様子がよくわかります。
そのことは、きっと研究を遂行される上でも良い方向に活かされているのだと推察されます。
科学者に必要なのは、とんでもないことを想像する楽天性とともに(それだけでは、ただの夢想家です)、なんども、さまざまな方向から検証する慎重さです。
ちょうど今年5月、栗原先生は国際純正・応用化学連合から、IUPAC 2013 Distinguished Women in Chemistry or Chemical Engineeringという栄えある賞を授与されました。
AIMRウェブサイトより:栗原教授、IUPACより"世界の卓越した女性化学者"に選出
栗原先生、益々のご活躍をお祈りしています!
JST男女共同参画アドバイザリーボード栗原先生からのメッセージ
