科研費が変わった

平成18年度科学研究費補助金(通称、科研費)の公募が始まっている。
それぞれの研究機関の締め切りはいろいろだろうが、東北大学大学院医学系研究科は10月17日(月)が部局内の締め切り。
ま、この「表の締め切り」から1週間は余裕があるとみて間違いない。
(事務の方、スミマセン!)

さて、今年の科研費は大きく変わった。
なんと、「電子申請システム」が取り入れられたのだ。
これによって、従来の応募カード(旧短冊)と研究組織表が廃止され、応募情報は電子システムで登録され、事務局を通じて日本学術振興会へ送付されることになる。
また、研究計画調書は、電子申請システムに登録された情報と応募内容を合わせてファイルとなる按配。

システムの変換は申請者にとって負担ではあるが、これはなかなか画期的な改革だ。
そのためにどのくらいの予算が使われたのかは分からないが。
でもやっぱり変わらないのは、書類に「枠」があるところ。
なんで「枠」にはめたがるのだろう・・・
何度もこのブログで繰り返しているが、「枠」はタイプを持たない時代が長く続いた名残にすぎない。
枠が無くても見やすい書類を活字で綴ることができる時代になったというのに。
同様に、スライドでいまでも「ブルーバック」の背景色に固執している人を見ると、「損しているな」と思う。
グレースケール以外の色にはそれぞれ「色相」があって、その背景の上に貼り込む画像の色と干渉してしまうのに。


ところで、今年のノーベル医学生理学賞は「ピロリ菌」。
「胃潰瘍」の犯人捜しの果てに見つかったストーリーはなかなか面白い。
ストレスやら生活習慣やらがモンダイだと言われていたのが、実はある細菌が引き起こしているということが分かったおかげで、抗生物質とH2ブロッカー(胃酸の分泌を抑える)で比較的簡単に直るようになったのは画期的なことだ。
証明のために「自分でピロリ菌を飲んだ」という逸話は、ジェンナーの種痘を思い出させる。

それにしても、日本人、受賞しないですね・・・
化学賞や物理学賞との差を感じます。
by osumi1128 | 2005-10-06 21:58

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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