科学と社会のより良い関係に向けて【追記】

目下、種々バタバタです……。
気がついたら東京オリンピック2020年開催が決まってました。
さまざまな方々の色々な思いが詰まった結果と思います。
それまでに本気で震災復興してほしい。
とくに、福島の問題を終結しなければ駄目でしょう。
ちなみに、『第 2 次男女共同参画基本計画(2005 年)』には「2020年までに. 指導的立場の女性比率を30%に向上させる」と書いてありますので、それも達成していることを望みます>安倍総理殿。

さて、周回遅れの感もありますが、名古屋で開催された包括脳ネットワーク夏のフォーラムにおいて、「サイエンスコミュニケーションー社会における脳科学への期待」というセッションに出て、政策研究大学院大学の有本さんのお話が、いつも変わらず煽っていて(笑)、改めて「科学者は社会から信頼されているか?」という問題について考えました。
お話の中に「Responsible Conduct in the Global Research Enterprise」つまり『研究のグローバル化時代における責任ある行為』ともいうべき提言がInterAcademy Council(IAC)という国際組織から発出されていることを知りました。
IAPは以下を目指しています。
Mobilizing the world's best science to advise decision-makers on issues of global concern

上記のPolicy Reportは以下のような構成になっています。
1. Introduction
2. An Overview of Research Values
3. Responsible Conduct in the Process of Research
4. Recommendations for Researchers and Institutions Involved in Research

この取りまとめには日本学術会議第二部部会長の山本正幸先生も関わられました。
こちらのに言及しているところをサイエンス・ポータルに掲載された有本さんのオピニオンから抜粋しておきます。
従来の研究倫理に加えて、科学と社会、政治との関係を律する行動規範を分かりやすく提案し、今後、国際標準を目指す。この中で、「研究者は成果の政策的な意味(不確実性を含む)を、明確かつ包括的に政策決定者と公衆に説明する。政府、産業、NGO(非政府組織)に対する科学的助言は、ピアレビューを行い陳情は避ける」と述べている。

その折にも用いられたスライドをウェブ上で見つけたのでこちらも貼り付けておきます。
科学と社会のより良い関係に向けて【追記】_d0028322_23135782.jpg


【追記】
関連して、原発事故調査委員長を務められた黒川清先生が震災後2年半の時点で、この事故の始末ができていないことを憂いておられます。
2020年オリンピック開催なのであればなおのこと、きちんとして海外から多数の皆さんをお迎えすることが大事でしょう。
そうでなければ、福島出身パラリンピック選手をプロモーションに起用した意味もありません。
黒川清先生のブログ:福島原発事故の現状にNatureも懸念を表明、何をすればよいのか?
by osumi1128 | 2013-09-08 23:15 | 科学 コミュニケーション

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