旅の総括前篇:リヨン訪問

ただいま第二の訪問地フレジュスですが、ネット環境が悪いので、画像は追ってアップします。
旅の総括前篇:リヨン訪問_d0028322_10543817.jpg*****
TGVの列車の中です。
リヨンからエクサンプロバンス経由でフレジュス入りするはずが、最初の列車が15分遅れで乗り継げず、アビニョンにて乗換えとなって予定よりも到着が1時間以上遅れる見込み。
やれやれ、今回はなかなかすんなりいかない旅程です(笑)。
とりあえず旅の総括前編をしてみます・

今回のお伴の書籍は無し。
というのは、翻訳監修の仕事があって、それを片付けるのが先という至上命令だったのです。
原著はノーベル賞受賞者Eric KandelらのPrinciples of Neural Scienceの第5版。
抱えてくるには重すぎ、大きすぎですが、Kindleで買ってiPadに落としてくればまったく平気ということに気づきました。
これならどこでもオフィスですね♬

夜中の羽田便だったのですが、往路の新幹線が雪と風で一時運休の影響が残っていて、はやてに乗ったものの東京到着が3時間くらいかかりました。
途中、すぐ後のはやぶさには追い越されたので、今度同じような状況に陥ったら、はやぶさを選択するようにします。
それでも羽田に出発2時間前に着いたので、落ち着いて搭乗することができました。

パリ到着は、まだ薄暗い朝の6時半。
入国審査にかなり時間かかって、TGVの駅に辿り着いて、予約していた列車の変更をしました。
というのは、パリのリヨン駅からリヨンまでの列車を予約していて、それですと、空港から市内まで出ないといけなかったのですが、実際にはCDG空港から直接、しかもノンストップで2時間でリヨン到着という列車があったのです。
(今から思えば、このCDG駅で、他の切符の変更や追加も済ませるべきでした……)

予定の列車をリヨンで降りて、迎えに来て頂いたホストのお一人、INSA-Lyonの心臓・代謝・栄養研究ユニット(CarMeN)のNathalie Bernoud-Hubacに、リヨンからフレジュスまでの列車を、彼らが乗るのに合わせて変更するのを助けてもらったのですが、まぁ、時間のかかることかかること……。
何がそんなに問題なのか、フランス語でナタリーが会話しているので、まったく不明。
ともあれ一件落着と思って車でINSA-Lyonまで来たところで「この帰りのフレジュスからの列車が、パリまでではなくて、リヨンまでになっている!」ということに気づいて、「ごめんなさい、後でまた駅で変更しないと……」ということになりました。

4月からダブルディグリー・プログラムで来る予定の学生さんと打合せをして、一緒にお昼を頂いて、しばしメールチェックさせて頂いた後に、今度はその学生のAmandaにホテルまで送ってもらいがてら、駅に寄りました。
さて、そこから再度、フレジュスからCDG空港までの切符に変更してもらったのですが、もらったチケットの終着駅がパリ市内になっている!!!
さすがに今度はすぐに気づいて、再度変更してもらいましたが、いったいなんでこうなるの???

一つには、駅の窓口係の方の端末操作レベルが、JRさんの窓口とはえらく違う、という人的な問題があるでしょう。
ただ、チラッと見たモニタの入力画面は、あまりにもわかりにくいものだったので、そういうハード面?の問題もありえます。
でも、要するに、こういう状態だから皆が自分でネットで買うのが当たり前になってきたのね、ということは納得がいきました。
実際、もしかしたら、私が日本からネットで予約した画面の方が操作性は良かったような気がします。

旅の総括前篇:リヨン訪問_d0028322_11010675.jpg2日目は、朝9時半にホテルにお迎えに来て頂いて、2つ目の訪問先のStem Cell & Brain Research Instituteに行きました。
マウスやサルの大脳皮質構築に関して著名な研究成果を挙げておられるColette Dehay先生のホストでセミナーをさせて頂きました。
画像はColetteとのツーショット。
手前に見えるのは、お土産にした可愛らしい布製の兎のお雛様。

この研究所はフランスの研究機構INSERMに属していますが、幹細胞と脳科学の研究者がPIとして10名程度集まっているという、ちょっと異色のところです。
セミナーの後で7名の研究者(1名のみColetteのポスドクさんで他はPI)と30分ずつのアポイントで話をした際に訊いてみると、要するに幹細胞も脳科学も、その中に非ヒト霊長類(つまりサル)を扱う方が数名いるので、その設備をシェアする、というところがポイントだったようです。

幹細胞では脳研究との境界領域である神経新生の研究者もおられましたが、他には鳥類のES細胞を樹立されている方などもいて、とてもユニーク。
ニワトリのES細胞を何に使うかというと、ワクチンを賛成させる細胞として応用できるとのことです。
それは確かに需要があるでしょう。
脳科学でも、cingulate cortexの皺が1本のヒトと2本のヒトでは、fMRIで見たときの画像の位置が若干異なるが、topologicalには同じと考えてもよい、というお話を聞きました。
でも、ということは、現在、普通に「テンプレート」に当てはめたり「平均化」している脳画像解析というのは、ずいぶんとバグを含んでいるものなのかもしれないと思いました。
このあたりは、今後要注意の研究ですね。

(旅の総括:後編につづく)

by osumi1128 | 2014-02-20 12:41 | 旅の思い出

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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