昨日、東北大学サイエンス・エンジェル(SA)活動報告会が片平キャンパスで開かれました。
今年度は2013年が東北大学に日本で初めての女子学生が理学部に入学した記念の年でもあり、63名のSAが総長から任命を受け、30ものイベントに関わりました。
各種イベントの中での定番は、7月末のオープンキャンパス時における女子高校生向けのもの。
多様な理系学部・研究の紹介や、進路相談など、毎年工夫を凝らして開かれています。
今年は百周年記念の「紅(くれない)色」の記念ロゴ入りTシャツでした。来場者は90名とのこと。
女子高校生の感想です。 ●今どんなことをしているかとか、高校のときどんなきっかけや理由があって理系に進んだかなど、たくさんのことを聞けて、とても参考になりました。
●学部の雰囲気や生活など、知りたい情報が詰まっていました。
SA自身も、その存在意義を感じることができるきっかけであったという感想を持っていました。
高校、中学、小学校への出張セミナーも計10校に出向きました。主に東北地方の学校ですが、高校ではスーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)指定校などからの講師派遣要請などもありました。母校でのセミナーを行ったSAもあり、感慨深いものだったようです。小学校での開催は、仙台市教育委員会の事業への参画であったり、PTA主催の研修会への参加もありました。画像は宮城第一高校でのセミナーで、ちょっと見えにくいですが、SAオリジナルのパーカーを着ています。
生徒さんたちの大学進学のモチベーションを上げるのに役だっている様子が伺えます。大学に入学したいという気持ちが高まってきたため、志望校について調べると同時に今回の講演で得たことを活かして日々努力を積み重ねていきたいと思いました。

最近増えてきたのは、企業のCSRで行われるイベントへの出張依頼です。例えば日本IBM主催、JR東日本共催の「エキサイトキャンプ in 仙台」、河北新報社&東京エレクトロン宮城の主催による「楽しい理科のはなし2013〜不思議の箱を開けよう〜」など。男女共同参画関係NPO主催のイベントもありました。
右の画像は、エキサイトキャンプでのワークショップで使われたカードゲーム。それぞれの画像の繋がりを示しているようですね。他にも、DNAの配列をもとにビーズのストラップを作ってお持ち帰りしてもらうものや、発泡スチロールにオレンジオイルを垂らして溶かし、スタンプを作成するなどが子どもたちに大人気だったとのこと。企業のイベントに参加することによって、SA主催のイベントの経験値も上がったようです。
子どもたちだけではなく、保護者の方々からも熱心な質問を受けたりして、理系女子の存在感をアピールできたと思います。

女子学生入学百周年記念ではいくつかのイベントがありました。左のポスターデザインは、東北大学の図書館本館で開催された展示の案内で、オープンキャンパスに合わせて開催され、見学者は延べ360名にのぼったそうです。SAの活動紹介だけでなく、学生生活やキャンパス紹介も為され、東北大学史料館所蔵の「女子入学をめぐる文科省の質問状」「合格通知発送文案」や当時の学生集合写真なども展示されました。来場者に書いてもらった「感想ノート」もSAたちの良い思い出になったことでしょう。
担当SAさんからは「女性が高等教育を受けることができるようになったことの意味を感じました」という感想が発表され、自らが体験することが大きな気付きに繋がるのだと思いました。
これらの画像は図書館HPにも掲載されています。
そして、8月8日の女子学生入学百周年記念シンポジウムとそのプレイベントでもSAたちは大活躍でした。
報告会後に、茶話会と、輝友会との合同の懇親会が開催されたようです。
日本の女性研究者は14%と、欧米の半分以下、それは、大学時点から理系に進学する女性が半分であることにもっとも大きく依存しています。東北大学サイエンス・エンジェルの活動は「身近なロールモデル」として、小さなお子さんから女子高校生まで、あるいはご両親や学校の教員の方々に「理系女子という選択肢もあり」というご理解を頂くための、次世代育成支援です。そもそも理系・文系のような枠組みが近い将来無くなれば良いと思っていますが、そうでない間は個人的に「リケジョ倍増計画」を推進したいと思っています。