東海岸出張(その2):ボストン訪問

今回、さすがに日本から丸一日の会議のためだけに来い、というのは可哀想ということで、その後2泊分もSfNにサポートして頂きました。
そのうち1日はボストンに立ち寄り、コネクトーム技術で世界の先端を切り拓いているハーバード大学Department of Molecular & Cellular Biologyに所属されるJeff Lichtman先生のところを訪問し、2015年にご来仙の打合せをしました。

無事に交渉が終わった後、現在、Lichtman研に留学中の水谷さんにラボを案内してもらいました。
東海岸出張(その2):ボストン訪問_d0028322_22534986.jpg
東海岸出張(その2):ボストン訪問_d0028322_22535804.jpg
コネクトームは神経科学領域で最新技術の1つなのですが、簡単に言えば、電子顕微鏡を用いて、神経細胞同士や神経細胞と筋肉の繋がりなどを「三次元化して」観察しよう、という方法です。
まだ、どのようなやり方が最適なのかは日進月歩の段階で、Lichtman研でも機械の開発、材料の選定、ソフトの開発など種々の取り組みが行われています。
私自身は、別に神経細胞同士の繋がり(connection)を観るためだけにこの手法があるとは思っておらず、この新しい3D電顕で新たな発見が多数あると思っています。
これからの展開がとても楽しみです。
東海岸出張(その2):ボストン訪問_d0028322_23052345.jpg

その後、荷物をホテルに置いてから、元ポスドクさんでマサチューセッツ総合病院(MGH)の方の研究室に所属するNannanとランチを食べに行きました。
メールのやりとりはしていましたが、2年以上会っていないので、近況報告であっという間に時間が経ちました。
彼女はちょうど8週間のmaternity leave空けで、今は「時間が足りない! 人生が複雑!」と悲鳴を上げながらも、元気にやっているようで安心しました。
(画像を撮り忘れたのが、返す返すも残念です……。お料理の画像を撮るのは忘れないのですが、人物を忘れます……)

そうそう、この日、ボストンで泊まったのが、地下鉄のRed LineのCharles/MGH駅からすぐのところにあるクラシカルなホテル、John Jefferies Houseというところ。
水谷さんにお薦め頂いたのですが、ボストンにプチ・サバティカルしている間に知りませんでした。
なんと、このホテルを作った方が、MGHのEye and Ear Instituteを設立された方と聞いてびっくり。


Nannanとハグして別れてから、次の訪問先は、MGH駅からハーバードのNavy Campus行き無料シャトルに載って終点にあるビルの研究室。
Department of Radiologyの所属でAssistant Professorをしている荒井健先生のラボに、東北大学医学部基礎修練生の学生さんが海外研修中だったので、共同研究のご相談に行きました。
5ヶ月の滞在とのことで、しかも学部生なので、J1ビザではなく10年もののB1ビザだったですが、ともあれ、ボストンの寒さにもめげず、目一杯、有意義な時間を過ごしたようです。
比較的まとまったデータが出たので、今年、学会発表も予定しています。
これらの滞在は、東北大学の医学部の方からの支援を受けています。
東海岸出張(その2):ボストン訪問_d0028322_22540824.jpg
さらに夜は、ボストンのハーバード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)、マサチューセッツ大学、タフツ大学などに留学中やPIになっている日本人の方々との夕食会。
東海岸出張(その2):ボストン訪問_d0028322_22541812.jpg
留学する日本人は、たしかに実数として減少したので、文科省は「トビタテ!Japan」キャンペーンを張っていますが、私の周囲には留学生活を楽しんでいる方々や、海外でずっと活躍されている方が多いようです。

ボストン訪問は、預けた荷物(お土産に液体のモノがあったため)が空港で出てこないというトラブルに見舞われたり、華氏20°という寒さ+雪もありましたが、煉瓦の建物が懐かしかったです。

ちなみに、STAP騒動から逃れて東海岸に来たはずなのに、メールはどこまでも追いかけて来ていました(苦笑)。

by osumi1128 | 2014-03-19 23:22 | 旅の思い出

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


by osumi1128
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31