Blogコミュニケーションに思う
2005年 10月 23日
気が付くと『5号館のつぶやき』(私のいる建物も5号館なのですが)や『科学コミュニケーションブログ』や『とっさ日記』などでも取りあげられていて、ずいぶん市民権を得つつあるなと嬉しくなっています。
今日はちょっと毛色の異なるBlogコミュニケーションについて考えてみようと思います。
本当は9月末の締め切りだった原稿を、ほぼ書き上げたのですが、まだ図を作っていなくて、とにかく11月の海外出張までに、これだけは出していこうと思っています。
その原稿は『言語科学の百科事典』という大きな本のごく一部になる予定なのですが、そのとき、神経線維の絶縁体として働く髄鞘(ミエリン鞘)→髄鞘形成不全による言語障害→自閉症という順にインターネット調べモノをしました。
家で原稿を書いていたので、インターネットは便利です。
<Wikipediaより引用>
自閉症(じへいしょう、Autism)は社会性や他者とのコミュニケーション能力の発達が遅滞する発達障害の一種である。高機能自閉症と低機能自閉症があり、ただ単に「自閉症」という場合は、後述する低機能自閉症の事のみをさす場合もある。
医学大辞典もハードディスクに搭載しているのですが、たいてい併用しています。
さて、Googleで「自閉症」を検索すると1,420,000件ほどが一瞬(0.08秒)で見つかります。
中には「日本自閉症協会」という患児者団体や、いろいろな地区の「親の会」のHPなどがある他、web上に載っている学会の抄録や、Amazonで自閉症という文字が入った本なども挙がってきます。
そして、そんなに数は多くはありませんが、自閉症のお子さんを持った親御さんが作っている個人的なHPがありました。
現在、自閉症という診断はきちんと為されるようですが、その治療はまだ確立していないようです。
日常生活でいろいろな「こだわり」が強かったり、言葉の習得が遅いことから、自閉症と診断された子供達は「療養学級」などで心理学や教育学の専門家から指導を受けることになります。
自閉症児の親御さんのサイトでは、子供がどんな様子か、どんなサプリメントを食べさせたらどんな風に行動が変わったかなどを克明に記録しています。
また、個人的に勉強して分かったことや、関連する新聞記事なども記事となっています。
こういう方達が日本で病気や治療法に関する最新の情報を収集するのは本当に大変そうだということが分かりました。
最新情報はほとんど英語なので、翻訳ソフトにかけてもおバカな訳しか挙がってきません。
あるいは、学会抄録などは専門用語の嵐ですから、日本語で書いてあっても訳が分からないでしょう。
厚生労働省のHPでも、自閉症の研究を行っている研究室のHPでも、本当に必要としている情報が分かり易く書いてあるかというとそうではありません。
患者のご家族と医療従事者、教育者などがフラットな立場でコミュニケートできるような仕組みはできないのかなと思っています。
誰でもコメントやTBできるブログはそういう使い方もできるのではないでしょうか?
サイエンス・コミュニケーターがたくさん育ってくる中に、そんなサイトを立ち上げる人もいてくれたら素敵だなと思いました。
・・・で、私の目下の問題は原稿を仕上げることになるのですが、これから頑張ります。