
昨日、元の職場である
国立精神・神経医療研究センターで講演をしてきました。
「研究倫理について話してほしい」という依頼が来たのは3月下旬のこと。学生さん相手の講義などでは、折に触れ「コントロールを取ること」「再現性があること」などを盛り込んで話をしてきましたが、正面から「研究倫理」について講演するのは、ほぼ初めてで、PowerPointスライドもまったく最初から作りました。タイトルも悩んだ末に次のようなものに決めました。
「SXXP細胞に学ぶ〜研究行為における「誠実さ」とは〜」
導入でNature誌の論文を取り上げて、具体的な問題点についても、日本分子生物学会のHPに置かれている
「正しい知識が捏造を防ぐ データを正確に解釈するための6つのポイント」などに触れましたが、強調したかったことは、科学という営みが「誠実さ」にもとづいていること、日本語で「研究公正局」と訳される米国のOffice of Research Integrityという名称に使われている「Integrity」の意味、科学を行うことの根源的な喜びはどういうところにあるのか、などでした。また、聴衆は学生さん、研究員、研究支援者、研究室主催者等、広がりがありましたので、皆さんそれぞれに聞き所があるようにしたつもりです。
幸い、主催者の方によれば「140名ほど集まり、さらに入りきれずに40名ほどが帰ったので、撮影したヴィデオの上映会を開催したい」とのことで、ともすると聴衆が集まらない傾向のあるテーマのセミナーにしては、目的を果たせたかなと思っています。やはり、関心の高いタイミングであるということもあったのでしょう。
脳神経科学関係の研究所ですから、主催部局である「
トランスレーショナル・メディカルセンター」の武田センター長始め、存じ上げている先生方も多いのですが、さらに加えて2年間、室長として過ごした元の職場でしたので、当時の部下や、さらに、うちのラボ出身者、元東北大学の方など何人もの方に久しぶりに会えたのも嬉しいことでした。
セミナー終了後に、四川料理をご馳走になりました♬ お世話になりました松岡先生、ありがとうございました。