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2つの国際会議とその合間のロンドン訪問の記憶のために。
最初の訪問地はストックホルム。最高気温が16℃くらいが連続し、完全に持っていく服の選択を間違えました……。あまりに寒かったので、途中の日に会場を抜けだして、本店のあるH&Mを目指して街を歩いていて、偶然見つけた地元デザイナーのお店で、フエルト一枚地のコートをゲットして事なきを得ましたが、その後はまったく役に立たず(苦笑)。そんなことも思い出です。
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国際脂肪酸脂質研究会議とも訳すべきISSFALという学会は2年おきに開催されるのですが、今期の会長がKansas University Medical CenterのSusan Carlson教授で、大会長がUniversity of GothenburgのBrigitta Strandvik教授(ちょうど下記の画像では朝のセッション前のショットで、並んでお話しているところ)。
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餌の高度不飽和脂肪酸のバランスがn-6過多になると、マウスの脳構築が異常になるという内容でポスター発表をしました。シンポジウムのショート・トークで同じ方が何度も話すのはどうかなぁと思ったのですが、もしかするといくつかのポスターで最初応募していて、それぞれ別のセッションで口頭発表に選ばれたものの、本人が来れずにボスが発表していたのかもしれません。

比較的小さめの学会なので、最終日の夜に着席で行う「ガラ・ディナー」があり、今回の会場はVasa Museumという博物館での開催でした(日本語サイトはこちら)。スウェーデン海軍が造船し、ときの王朝の名にちなんだヴァーサ号というゴージャスな帆船が、出港直後にあえなく沈没し、後にそれを引き上げて博物館としたものです。17世紀の帆船がかなり良い保存状態で残っていますが、その無駄に豪華なレリーフなどを見ると、重心が高くなりすぎたことがよくわかります。ちょうど偶然、旅のお伴に連れて行った文庫本がジャレド・ダイアモンドの『文明崩壊』(草思社文庫)だったので、この沈没後にヴァーサ王朝が途絶えたことがとくに印象に残りました。

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次の訪問地はロンドン。University College Londonの眼科学研究所で長くPIをされている大沼信一教授との研究打合せのほか、昨年、東北大学女子学生入学百周年記念シンポジウムに基調講演でお呼びしたVeronica van Heyningen先生のお誘いで、Royal SocietyのSummer Exhibitionとそれに付随したSoiree(晩餐会)という、彼女に言わせると「Very British」な催しに参加しました。ドレスコードがブラックタイということだったので、絽の着物を着て行きました。Summer Exhibitionは要するに、Royal Societyが行うアウトリーチ活動で、今年は22の展示があり、1週間の間、市民公開されていますが、最初に行われたのが19世紀の半ばという伝統があります。まぁ、それを引きずっているので、Royal SocietyのFellowの方々とその同伴者が、ブラックタイという大層な格好をして参加する訳ですね。
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晩餐会は着席でしたが、お料理は並んで取ってくるビュッフェ形式。ところどころ「サイエンス」っぽい遊び心があったのは面白かったです。例えば、こちらのデザートの苺に添えたクリームが入っているのはプラスチックの試験管。
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Royal SocietyのFellowの方々は、やはりオックスブリッジ系が多いとのことでしたが、2011年の神経科学大会に基調講演にお呼びしたUta Frith先生とご主人のChris Frith先生、脳神経科学グローバルCOE時代の市民公開講座をお願いしたSemir Zeki先生などUCLの方、それから、齧歯類の行動解析研究者なら知らない人はいない、University of EdinburghのRichard Morris先生などにお目にかかれて何よりでした。モリス先生はスコットランドの正式な衣装を付けておられました。左側がVeronicaで、右側がSimonです。
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Royal Societyの建物の中には、随所に著名な科学者の肖像画や写真が飾ってありました。例えばこちらは、1964年にノーベル化学賞を受賞されたDrothy Hodgikin博士のもの。
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ちなみに、大沼先生は東北大学理学部化学専攻のご出身で、昨年から「日英交流150周年」関連行事で忙しくされているとのこと。ぜひ、若い方々に海外での経験を、と強調しておられました。

長州ファイブ来英150周年関連行事 ~日英学術交流150周年~

UCL大沼教授インタビュー前半「海外に出て研究することの意味」

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最後はミラノ。ロンドンもすでに暑かったのですが、ミラノはさらに気温が高い日が続きました。ラボメンバーも2名に合流して欧州神経科学会議FENS2014に参加しました。
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学会の規模としては、6000名超え、北米神経科学大会SfNよりは小さいですが、日本の神経科学大会の倍くらいのサイズ。欧州各地で開催されるのがSfNよりは良いですね。日本からの参加者も確か200名以上とのことでした。ミラノを訪れるのは3回目でもあり、そもそも日本での仕事の締切などあって、どこも観光には行けませんでしたが、夕ご飯を皆と頂くのに街に出るだけでも、フレッシュな気持ちになれました。でも、未だに「最後の晩餐」などは観たことがないので、次回機会があれば是非、予約をしっかり入れて見に行きたいですね。食べ物画像は別途掲載します。

機器展示の一番良い手前のところのブースは、電気生理関係のNARISHIGEさんでした。社長がお着物をお召になっていたのでパチリ(お顔が暗くなってしまってごめんなさい)。絽の小紋に白い博多帯が涼しそうでした。神経科学大会でもたいへんお世話になっています
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FENSのPresidentは、今期がオランダのMarian Joel先生から、フランスのMonica Di Luca先生へのバトンタッチで、次回第10回の開催はコペンハーゲンです。下記、最後のアナウンスをするDi Luca先生。2年に一度の大会の間には、地区大会やビギナー向けのSchoolなどが開催され、とにかく各種のアドボカシーや、若い方々をエンカレッジする活動が盛んだなと思いました。SfNも同じなのですが、Past PresidentとPresident ElectがCurrent Presidentをサポートする体制も、継続性という意味で見習うべきところかもしれません。
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by osumi1128 | 2014-07-13 21:09 | 旅の思い出

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