軽妙なエッセイも書かれる脚本家・作家の
内館牧子さんは、「
東北大学相撲部総監督」という肩書もお持ちです。学友会相撲部の「監督」になられたのは、内館さんが2002年の秋から3年間、東北大学大学院文学研究科人間科学専攻宗教学分野」の社会人修士大学院生として所属されており、廃部寸前だった相撲部が「藁にもすがる思い」で、横綱審議委員でもあった内館さんを口説き落としたからなのは、残念ながらWikipediaに載っていませんね。
ちなみに、内館さんが大学院を目指した理由は『
養老院より大学院』(講談社文庫、Kindle版もあり)などに詳しいのですが、かいつまんで言うと、当時「相撲の世界にも<男女共同参画>を!」という意見が優勝杯授与の際に土俵に上がることができなかった女性知事から出されて、内館さんはそれに「待った!」をかけたく、相撲は神事として派生したものであり、他の伝統文化や民俗行事などにおいて「男性限定」「女性限定」のものがあっても、それは「男女差別」にはあたらないというお考えであったものの、もっと理論武装すべきと考えて、「そうだ! 大学院へ行こう。大学院で大相撲を勉強しよう」と決心されたというのです。
内館さんが東北大学相撲部の監督に就任してから、部員の数は2桁に、Cクラスで優勝して、Bクラス入り……と快挙が続き、廃部の危機は免れました。今は女子マネージャーも5、6人くらいいるそうです。その後、内館さんは無事に修士論文も提出されて仙台から離れることになり、監督は退かれたものの「総監督」に就任。相撲部への応援は続いています。
最近では、東北地方の相撲のジュニア大会で見どころのある少年を見出して、「医学部志望? じゃぁ、進学するなら東北大学よ!」と勧め、その生徒は見事、今春、東北大学の医学部に入学し、さっそく国公立大会で入賞!!! 下記は
医学系研究科Facebookからの引用です(前列中央が医学部学生の千葉大介さん)。
さて、その内館さんの新刊『
毒唇主義』のサイン会がジュンク堂さんで開かれるとのことで、行ってきました。今回はツーショットの撮影もOK!だったのですが、こともあろうにiPhoneを忘れ……orz ガラ携での画像なのが残念です。頂いたお名刺の肩書は「東北大学相撲部総監督」のみ! サイン会には中学生くらいの、お相撲をやっているらしい、でもまだ身体の細い男の子が、薔薇の花を一輪携えて来ていて、素敵だな、と思いました。
ちなみに、サインの言葉は以下でした♫
男も女も横綱も
強さより深さ