第37回日本分子生物学会年会@パシフィコ横浜私的ハイライト

小安年会長の主催により、火曜日から3日の会期で第37回日本分子生物学会年会がパシフィコ横浜にて開催されました。最終的な参加者数は7600名ほどになるとのことです。以下、私的メモとして残しておきます。サイエンスの中身そのものは差し控えたいと思うので、どうしても科学コミュニケーションに関することが中心となります。
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初日の夜のセッション90分の枠で、学会主催研究倫理フォーラムを行いました(注:年会には、小安年会長が主催されるセッションと、「学会本体」が主催するセッションがあるのです)。昨年12月の研究倫理セッションは午前午後2コマX3日間というマラソン・セッションでしたが、今年は会期が3日になり、さらに小安先生のご方針である「サイエンスへの回帰」に抵触しないように、シンポジウム、ワークショップ、ポスター討論の時間帯を避ける必要があったために、1回のみの開催でした。篠原理事により、今期の学会の研究倫理への取り組みの振り返りを行い、その後、文科省研究不正ガイドライン策定に関わった中村征樹さん@大阪大学によるガイドラインのポイント説明の後にフリー・ディスカッションとなりました。その内容については後日、全文公開される予定です。
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キャリアパス委員会は2つのセッションを企画しました。今期、理事長を仰せつかった際に、男女共同参画委員会を発展的に若手キャリアパス委員会に改変し、男女を問わず研究人材のキャリアパスを支援したいと思いました。今回の企画のうちの1つ、2日目のものは「博士の多様なキャリアパスを切り開く」というランチョンセミナーでした。講演は「博士号は民間起業でも有用か?〜大学のキャリア支援を活用したPhDからの報告〜」および「博士が社会で多彩に活躍!〜大学で博士人材のキャリア支援をしてきた立場から〜」という2題。その後、携帯からの入力システムも利用してパネル討論が為されました。大学によっては、博士号取得者向けのキャリアパス支援室のような組織が設置されていないところもあるので、今後、学会などが中心となってネットワーキングしていくことが必要であると思いました。
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2日目は夕方に総会があり、通常通り、事業報告、会計報告と予算承認等の後、キャラクター・デザインの発表、さらに、会則の改正について承認されました。中でも新しい会員制度を創設したことについて記しておきたいと思います。一つは「シニア会員」であり、こちらは研究の現役を退かれた方に、学生会員と同額の会費、年会参加は無料という特典です。今後、団塊の世代の先生方が退職されていきますが、ぜひ、年会にはご参加頂いてディスカッションに参加して頂けたらと思っています。もう一つは「次世代教育会員」というもので、これは生物学の教諭のような立場の方を想定しています。会費は一般会員と同額ですが、年会の参加費は無料です。日本分子生物学会としては、ぜひ、初等中等教育に携わる先生方にも、最先端の研究現場の様子を見て頂きたいと思います。詳細は追ってHPに掲載予定です。また、今年の年会の小安年会長、来年の年会長である影山龍一郎先生@京大のご挨拶、さらに、先日理事会において互選により選出された題19期の理事長、荒木先生@遺伝研のご挨拶で幕を閉じました。
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総会後に、富澤基金による助成金の贈呈式が行われました。富澤先生には今年もご出席賜り、「科学がアートと同様に文化として定着して欲しい」などのお言葉を頂きました。
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キャリアパス委員会主催のもう一つは、3日目のランチョン時、大ホール1000人の会場が満杯になる企画でした。ジャーナリストの池上彰さんをお招きしてコーディネータ役を務めて頂いて、日本の生命科学研究の問題点についてパネリストの意見を聞くというものでした。池上さんの興味によりSTAP細胞問題も含まれていましたが、ハイライトは不正の責任を誰が取るべきなのか、ということについて、普通の企業と研究組織の違いのあたりだったでしょうか。途中メモしていたものはこちらをご参照下さい。

さらにこの日は夕方に、高校生による研究発表が展示会場のミニ・セミナー会場にて行われました。篠原理事の継続的かつ献身的な努力によって続けられている活動です。今年は会期が定期試験とバッティングしているなどあり、参加校は少なめでしたが、母校からもポスター発表が為されていました。60期の皆さんと、23期のわたし……ww
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一番最後のセッションは、市民公開講座としての学会企画でした。
分生会員でもあり、切り絵作家としても世界的に知られる岩崎秀雄さんにコーディネータをお願いし、会期中もバイオメディア・アートとサイエンス・イラストレーションの展示を行っていましたが、最終日の夜にトークセッションが行われました。新幹線の最終に間に合わせるために最後まで聴けなかったのが残念。途中までですが、「#分生サイアート」というハッシュタグ付きでTwitter配信しておきました。
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最後に、一つだけ、サイエンス面では、最新情報関係も収穫ありでしたが、一番良かったのは、共同研究者とリアルに会ってディスカッションできたことですね。
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来年は生化学会との合同年会BMB2015@神戸です。最近、ポスターがアート系が続いています♬
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by osumi1128 | 2014-11-29 22:09 | 科学 コミュニケーション

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