明治大学男女共同参画推進事業キックオフシンポジウム

本日は「国際女性デー」とのことで、Googleロゴマークもスペシャル版です。
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ちょうどその日に、文科省の支援を受けた明治大学の男女共同参画推進事業のキックオフシンポジウム「前へ! 明治大学における男女共同参画」(明治大学らしい!)で基調講演をするようにお声がけ頂きました。東北大学の男女共同参画をこれまで10年以上にわたって牽引されてこられた辻村みよ子先生からのご依頼ですので、これは断れません……。学長自らの開会のご挨拶、ご来賓としてJST執行取締役の渡辺美代子様、森まさこ前特命担当大臣のご来賓ご挨拶の後、私自身は東北大学の「3女子大学生入学」に始まる歴史と現状をお話させて頂きましたが、もう一人、文京区長の成澤廣修様からの基調講演が興味深かったので、こちらに残しておきます。
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成澤様は「初めて育休を取得した首長」というユニークな経歴をお持ちです。ご結婚後、ようやく授かったお子さんのために育休を取得したことが、結果として「首長が率先して男性の育児休暇を促進する」ことに繋がったと話されていましたが、「女性が<現状の>男性と同じ働き方をすることを目指した男女共同参画では、けっして社会は良くならない」という主張をされました。まったくそのとおりです。かつて「24時間働けますか?」というキャッチコピーがありましたが、今でも日本の残業時間数は世界一です。ようやく「片働き」が標準な家庭ではないように税制改革も為されるのでしょうが、まだまだ男女の給与格差も大きく、それは、主たる働き手は職場にすべてを捧げることを前提としているように見えます。
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また、パネルディスカッションの折に、人口学がご専門の明治大学附属明治高等学校・明治中学校校長の安蔵伸治先生は、現在日本で急激に進んでいる少子化を防ぐには、20代で第一子を出産するようになるべきと話されていました。現在の30代前半の給与が男性が420万円、女性が290万円であり、社会として子育てを支援する仕組みが必要なのだと思われます。実際、若手男性教員として登壇された農学部助教の出崎能丈さんは、「ポスドクを続けたり、任期制の教員などの不安定さが、結婚や子どもを持つことを阻んでいる」と話していました。

社会の意識を変えるというのは、そんなに簡単ではありません。でも、現実に、諸外国では「今日はボクが子どもをピックアップする日なので、じゃあね」と言って5時に帰る男性のAssistant/Associate/Full Professorは「普通」ですし、私よりも年上の年代の方でもそうでした。日本の方々が「働くのが好き」な割には効率が悪いのは、合理的な判断をしないからなのでしょうか……。

ともあれ、附属中学校・高等学校(しかも偏差値74という難関)を持つ大きな私立大学の明治大学さんは、種々の高大連携の仕組みも持っておられるようですから、そのような意味でも大学が推進する男女共同参画がうまくいくことを心からお祈りしています。世界には極端な父性的宗教に基づく国もあります。生物学的レベルでは、男女のゲノムは0.3%程度異なりますが、法の下の平等の精神と、異なることが素晴らしいというダイバーシティーの理念がうまく融合してほしいと思います。

【追記】
ちょうど、3月5日付でOECDからの報告書も出ていました。

by osumi1128 | 2015-03-08 18:47 | ロールモデル

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