映画「Woman in Gold」を観ました
2015年 08月 31日
羽田発JL45便の機中で「Women in Gold」という新作映画を観ました。クリムトの「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像」を巡る実話に基づいた作品です。アデーレの夫フェルディナンドの依頼によりクリムトが描いたこの肖像画は、ナチスによって不当に押収された後、オーストリアの美術館に半世紀以上。飾られていたのですが、アデーレ・ブロッホ=バウワーの姪にあたる女性が自分が遺品の正当な受け取り手であるとして、母国オーストラリアを相手に訴訟を起こすというストーリー。(画像はWikipediaより拝借しました)

グスタフ・クリムトは大好きなアーティストで、「アデーレ・ブロッホ=バウワーの肖像」は彼がお得意とする、金箔をふんだんに使った装飾的な女性のポートレイトですが、この逸話は不学にして知りませんでした。マリア・アルトマンというアデーレの姪と、同じくオーストリアにルーツのある、シェーンベルクの曾孫にあたるかけ出し弁護士ランディ・シェーンベルクが、絶対に勝ち目はないだろうという裁判に挑むというチャレンジを軸としつつ、ナチの時代にどのように家族が引き裂かれ、不当に財産が没収されたのかという歴史的な振り返りが随所に挟み込まれていました。
訴訟が行われたのはマリアがすでに80歳の頃とのことでしたが、オーストラリアの国や美術館として、すでに国の宝として公開されているアデーレその他のクリムト作品を手放すことはしたくないという思惑もあり、本当に複雑でデリケートな事件だったのだと想像します。作品は現在、ニューヨークのノイエ・ギャラリーに展示されているとのこと。リアルに観に行かなくっちゃ!
ちなみに、このブログ投稿は機中より。これから羽田のラウンジ以降に届いた40件のメールを処理します……。
【追記】
日本公開は11月27日(金)からとのことです♬