元硬式テニス部であったのに、もう10年くらいの間、ラケットを握っていません。闘争心が減ったというよりも、脳神経系に記憶されている筋肉の使い方に、現在の身体が付いていかないであろうという不安があるためです(苦笑)。代わりの運動で4年ほど前から始めたのが「HOTヨガ」。気温38℃くらい、湿度50%くらいの環境でヨガを行うというレッスンです。暖かい(暑い)環境でならストレッチも危なくない、ということもありますが、土日のクラスの先生との相性が良いので続いているのだと思います。
この先生、「ヨガは他人と争うものではありません。今までできなかったポーズができるようになる、それが大事です」などなど、デトックス効果のある言葉をかけて下さるので、汗とともに日頃のストレスを流し去る気分にさせてくれるのです。あるいは「お掃除のように、日頃たまっていくものを、少しずつ片付けるのです」とも……。
そういえば、以前よりも雑誌の特集などに「片付け術」が多くなった気がします。かの有名な「断捨離」のやましたひでこ先生だけでなく、「
片付けたくなる部屋づくり」というブログからブレイクされ、現在多数の本を出されている本多さおり先生など、多数のロールモデルや師範が存在しています。「<断捨離>は心のデトックスです」とも言われ、確かに、溜まった本や洋服をブックオフに持っていくのは快感ですし、心のエネルギーが足りないとお片づけが疎かになるのは、細胞レベルから同様だなとも思います。過日も一人暮らしの老人の住んでいるアパートがいわゆる「汚部屋」になっている様子をテレビで見て、さすがにそうなってはマズい、と気持ちを新たにしました。
そんな折、たまたまFacebook経由で目にしたのがサラ・ジェシカ・パーカーの部屋でした。
ニューヨークはアップタウンあたりなのでしょうか、インタビューワが挨拶して重厚なドアが開けられるところから映像が始まります。矢継ぎ早に質問を受け、それに対して次々と答えながら「どうぞ、こちらに座って」「あ、お水いりますよね?」などと気を使う様子も、私にはついついSATCのヒロイン、キャリー・ブラッドショーの姿が重なるのですが、大女優サラのリアルな住まいの様子は、TVショウの中でのライターのキャリーの部屋よりもずっと広くてゴージャス。ただし、ゴージャスといっても悪趣味な感じが無くて、サラの好きなたくさんのモノに囲まれている様子がなんともいいなぁと思いました。つまり、上記の「片付け術」という路線とは違っていて、むしろモノは多数、溢れかえっているのです。まぁ、部屋が広いから、多数のモノがあってもあまりゴチャゴチャした感じにはならないのかもしれません。
そんな5分ほどのヴィデオを見ながら、ふと「The room predicts the brain」というフレーズを思いつきました。「本歌」は「The face predicts the brain」で、私が大学院時代にボスから聞いた「顔は中枢の表現型である」という言葉の元ネタだと思っているのですが、部屋というのもその人のパーソナリティーが如実に表れるものだと思いました。つまり、「部屋を見れば、その人の頭の中がわかる」かも。何も置かずにスッキリとした部屋が好きな方もいれば、モノに囲まれているのが好きな方もいる。どんな家具を置き、どんなモノを飾るか、どんな本棚にどんな本を並べるか、それらはみな、脳の指向性に依存しているのです。
インタビューワの質問は立て続けなのですが、このスピードで答えられるのは、サラは地頭が良いというか、反応が素早いタイプなのでしょうね。「ニューヨークを一言で言うと?」という質問には「Symphonic, Tiny, Real」と返答していました。まさにNYCの中で仕事をし、子育てをしながら生きている方ならではの答えだと感じました。