話して学ぶ

日本に戻ってくるとやはり忙しい毎日になってしまいます。
机の上に積み重なった書類の山は、まだ手付かずのものが3山ほど。
「排出系(ユビキチン、プロテオソームなどなど)がおかしくなると細胞は死ぬ」と思っているので、こういうinputとoutputのアンバランスは早く解消しなければならないと思いつつ、今日は医工学COEの国際シンポジウムが仙台国際センターであって、出たり入ったり。
明日、明後日でなんとか追いつかないと、と思っています。

COEは大学院生の育成を中心としたプログラムですので、この国際シンポジウムもA4で2ページのポスター発表の抄録を書いてもらったり、その中から数名を口頭発表にしてshort talkとしてプレゼンしてもらったりしました。
うちの学生さんの自慢話をすると、ちょっと鼻持ちならないと思われてしまうかもしれませんが、日頃からかなり鍛えられていると再確認しました。
プレゼンはやっぱり原稿読まずにしないと、格好悪いです。
私は初めての学会発表(口頭・日本語)のときに、一生懸命覚えた原稿をお守りのように持って演壇に上がって、それを読みはしなかったのですが、あとでボスに「あれは格好悪いので止めなさい」と言われました。
以来、その言いつけは守り、さらに若い人たちにも必ずそうしてもらっています。

外国からの招待講演のうちお一人は日本人でミシガン大学でPIをされている若い方だったのですが、本当に上手な発表でした。
ちゃんと「話し言葉」で話されていて、英語も流暢、スライドも論理性がビジュアル化され、もちろん中身もものすごく充実していて素晴らしい。
やっぱり、日本の教育は、国語にしろ英語にしろ、「読み書き」重視で、どうしても「聞く・話す」が弱い。
教える先生からして「聞く・話す」が弱いから、そのスパイラルに入ってしまって、なかなか抜け出せないのでしょう。

医工学は境界領域の比較的新しい学問ですが、こういう分野の開拓は日本人の苦手とするところです。
その理由として、日本では「文字で書かれた正書」を「読んで」知識を吸収する、という勉強スタイルになりがちなので、どうしても「異分野の人との対話」から新しい学問を生み出す力に欠けるのではと思いますが、いかがでしょう?
専門の違う人に分かり易く説明できるかどうかは、市民との対話と同様に大切だと思います。
by osumi1128 | 2005-11-22 00:03

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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