バッグをテーブルの上に置いてはいけない

スタバで注文の間ちょっと席取りをしようと、広い木のテーブルに小さな布のバッグを置いたとき、もう20年以上も前のことを思い出しました。

夏にオックスフォードで小さな国際会議が開催された折、カレッジの寮に泊まる機会を得ました。なにせ、14世紀の建物なので、木の床が若干傾いていたり、クローゼットの開けたてが悪かったり、ベッドもスプリングが効かなかったり……という状態ではありましたが、食堂にはずらっと肖像画が架かっていて圧巻でした。今ならハリー・ポッターの映画が連想されたことでしょう。学生用の食堂は長いテーブルに粗末な椅子ですが、奥のいわゆる「ハイ・テーブル」と呼ばれる教員用の調度は格式がありました。

着いたその日の夕食の折、メイン・ディッシュとしては肉か魚かの二択に、加熱しすぎの野菜の付け合せをプレートに取ってテーブルに付きました。今でこそ「イギリスは美味しい」と言えるようになりつつありますが、まぁ、当時のカレッジの食事ですから、味の記憶はまったく無く、時差もあって眠くなりかけていたとき、食堂で給仕をするオバサマから声をかけられました。

オックスブリッジ英語ならまだしも、英国の普通の方の早口の英語には、まったく経験が無かった頃です。何かまくし立てられている、かろうじて聞き取れた単語から想像すると、どうも「あんたのバッグ、テーブルの上なんかに置いちゃ駄目でしょ! そんなマナーも知らないの?」と言われていたようでした。「あ、ごめんなさい。失礼しました」と、すぐに椅子の上に下ろしました。

彼の地では、テーブルにバッグを置くことは、マナー違反です。ハンドバッグなど、床には置いても、テーブルの上は駄目。それは、テーブルはパンを直接、置いても良いエリアであって、床に置く(こともありうる)バッグは絶対に駄目なのです。日本の感覚では、バッグを床に置く方がありえないかもしれませんが、郷に入れば郷に従えですから仕方ありません。

今でも、広い木のテーブルを見ると、つい当時のエピソードを思い出してしまいます。
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Commented by sd at 2016-01-22 13:50 x
感覚の違いかもしれませんが、日本で生まれ育った私も、バッグを食事をするテーブルの上に置くのは気持ちが悪い感じがしますね。
by osumi1128 | 2016-01-17 00:05 | 旅の思い出 | Comments(1)

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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