4月20日に上梓された拙著『脳からみた自閉症』(ブルーバックス)ですが、早くも
Kindle版が出ました。……が、引用している文献のリンクが機能していないようです……。この件は、出版社に強くお願いしていきたいと思っています。
本書出版の打ち合わせを講談社さんとさせて頂いた折、「引用文献はどのくらい挙げてもいいでしょうか?」とお尋ねしたところ、「先生、一般向けの新書なので、逐一、引用するスタイルは読みにくいので避けたいのです……」と言われてしまいました。このあたり、科学者としては、ひとつずつ根拠となる文献を引用しつつ議論を進めるのが一般的なのですが、それが駄目というのはショックでした……。
そこで、せめてもと思って、論文で使われていた図を描き直しているものについても、必ず文献を加えることにしました。実際には、校正の段階でこの確認作業がかなりたいへんなことになって、編集部にご迷惑をおかけしたのですが、対応頂き助かりました。
……で、「早い内にKindle版も出す予定です」と言われた際に、「その折は文献にリンクを貼っていただけないでしょうか?」とお願いしたのですが、現時点ではマウスオーバーしても飛びません……orz なんとか粘ってみたいと思います。ぜひ、Amazonのコメント欄などにも、そのような要望を挙げて頂くと効果があるかもしれません♫ どうぞよろしくお願いいたします。
さて、本ブログのタイトルにした「自閉症はなぜ急増しているのか?」(図)について、米国の統計では、1975年には5万人に1人という頻度であったものが、1995年には500人に1人、2007年に150人に1人となり、直近の2014年の統計では68人に1人となっています。このような増加の背景の一つには「診断基準が確立した」ことが大きいと思われますが、その他にも考えられる生物学的な理由があります。詳しくは
拙著第6章を参照のこと。
【拙著関連リンク】
自閉症の基礎研究や臨界期に関する研究で著名なヘンシュ貴雄先生(現ハーバード大学)との対談です。
拙著の「まえがき」がそのまま転載されています。