あの日のことは、被災者であってもなくても、誰でも語るべきことがたくさんある。あるいは、5年経ったいまでもまだ語る気持ちになれないという方もいるだろう。地震発生時刻の14時46分、私はオフィスでパックス6変異ラットの研究データについて大学院生と議論中だった。突然の大きな揺れを感じて、私たちはテーブルの下に身を隠した。本棚からはあらゆる書籍とファイルが降ってきた。大学院生はデータの入った大事なPCを抱えて震えていた。「ここなら大丈夫だから!」と彼女に呼びかけ続けた200病は、永遠に続くのではと思うほど長く感じた。(本書あとがきの一部)
拙著あとがきのあと(その10):そもそもなぜ「自閉症研究」に取り組もうとしたのか
2016年 06月 29日