和食を科学する

先週は一般向けの講演が2つありました。一つは、理事として関わっている「NPO法人 脳の世紀推進会議」というところが毎年主催している「脳の世紀シンポジウム」という催し。ここ最近は「運動と脳」「音楽と脳」というようなテーマになっていて、今年は「食と脳」。特別講演は京料理「木乃婦」の三代目、高橋拓児様でした。身近なテーマかつ「きょうの料理」の講師などでも有名な講師をお呼びしているためもあってか、8月末でウェブ登録は締切、当日も歩留まりよく多数の方々にお集まり頂きました。
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仙台で他の用務があってご講演伺えず残念……。そこで、さっそくご著書をゲットしました。
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美しいお料理の写真とともに、高橋氏の和食の捉え方が記されています。例えば「料理人は研究者でお客様は被験者?」「歴史・経験、そしてこれからはデータ」など……。そして、この手の本で「グラフ」が出て来るのを見たのは、初めてかもしれません。「昆布出汁」と「一番出汁」のアミノ酸成分を、チキンブイヨンと上湯と比較しているのです。確かに、和食の基本である「出汁」はスッキリとしていることが、実際の成分からも(視覚認知的に)わかります。

(ちなみに、ちょうど、4人目の講演者である都甲 潔先生@九大が、ご自身が開発された味覚や嗅覚のセンサを紹介されていましたが、味をどのように構築していくのかは、このようなデータを元にして科学的にも進められるのでしょうね。ただし、受けて側のヒトの味覚受容体や嗅覚受容体には多様性があるので、万人が同じように感じる訳ではない、ということもありますが……。)

京料理の楽しみは味そのものだけでなく、器との調和や、さらにはお部屋の設えなど、本当に総合文化だと思います。木乃婦はミシュランの星も付いている人気店とのことですが、いつか訪れてみたいと思います。





by osumi1128 | 2016-09-24 09:53 | 味わう

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